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「膨らむヘルメット」付き防護服試作、コロナ対応医療者向け

八戸工業高等専門学校と八戸市立市民病院は共同で、医療従事者が新型コロナウイルス感染症の患者の治療にあたるときに、動きやすいヘルメット付き防護服を考案した。市販のポリ袋を頭部にかぶり、防護服に付けた送風機で空気をふき込んでふくらませ、空気が抜けるようにする。ウイルスの感染リスクを下げられる可能性があるという。病院で使いながら耐久性や機能性などさまざまな検証を進める。企業と組んで早ければ2021年度内の販売を目指す。

新型コロナに対応する医療現場では、本来は感染の完全防止のためには機密性の高いヘルメット付きの宇宙服のような防護服を使うことが望ましいとされている。ただ、装着すると暑く動きにくいため、一般には使われていない。

空気は常に防護服の内側から外側に流れ出ているため、蒸れずに動きやすい(全身正面)=八戸工業高等専門学校提供
防護服の後ろのフィルター付きの送風機から空気を吹き込む(全身背面)=八戸工業高等専門学校提供

医療従事者は、マスクやゴーグル、フェースシールドなどを組み合わせ、医療用ガウンを身につけていることが多い。ただ、これらの装備ではエアロゾルによる感染リスクを完全には防げないともいわれ、不安を感じる医療従事者もいるという。感染をできるだけ防ぎ、動きやすい防護服の開発が求められている。

研究グループは使い捨てのポリ袋を加工したヘルメットをつけた防護服を試作した。気密性の高い防護服の中に空気を吹き込むと、圧力でヘルメットが膨らむ。防護服の背中の部分に付いた送風機には飛沫やエアロゾルを通さないフィルターが付いている。

ポリ袋ヘルメット上部に開けた微細な穴や袖の隙間から空気が漏れ出るようになっている。臨床現場で防護服の上から使い捨ての医療ガウンを着ても、蒸れずに暑くならない。空気が常に内側から外に流れ出ているため、原理的にはウイルスはほとんど侵入できない仕組みだという。ヘルメットは顔に貼り付かないため、会話も支障なくできる。

ヘルメットは、専用に開発した防護服の襟に縁取りした突起に引っかけてひもで絞り、外れず気密性を保てる。送風機を稼働したままヘルメットをとれば、顔にくっつかず感染リスクを抑えられる。ヘルメットは服本体から取り外し可能で、使い捨てできる。

ヘルメット部分のポリ袋は1回ごとに使い捨てでき、材料費としては100円以下になる見込みだ。

防護服はウエスト部分にベルトを取り付けて、膨らみ過ぎないようにするなど、開発には、医療従事者の意見を取り入れた。

チームは今後、開発した防護服の感染防止効果や機能性、耐久性などについて具体的な検証を進める。現在、模擬唾液や模擬ウイルスを使い、ウイルス感染防止効果を確かめる実験を実施している。同時に八戸市立市民病院で実際に使いながら現場の目線で改良も進める。

(下野谷涼子)

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