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はやぶさ2「ミッション完遂」 カプセルに黒い砂 

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、探査機「はやぶさ2」が地球に届けたカプセルの中に、小惑星「りゅうぐう」で採取した大量の黒い砂粒が入っていたと発表した。りゅうぐうの試料(サンプル)を地球に持ち帰る「サンプルリターン」に成功したことが確定した。試料は太陽系の成り立ちなどを探る貴重な手がかりとなり、今後の詳細な分析に期待がかかる。

はやぶさ2カプセル内の容器、りゅうぐうの黒い大きな砂粒が左側に多数見える=JAXA提供

同日のオンライン記者会見で、津田雄一プロジェクトマネージャは「サンプルリターンミッションを完全に完遂できた。夢にまでみた小惑星の砂が私たちの手元にある」と報告した。

カプセルは6日にオーストラリアの砂漠で回収され、8日にJAXA相模原キャンパス(相模原市)に到着した。JAXAは地球の物質で汚染されないように、専用の設備でカプセルを開ける作業を慎重に進めていた。

はやぶさ2のカプセルを開封し、試料を取り分けるための専用設備=JAXA提供

カプセルの中の容器は二重構造になっており、15日午前に試料が格納されている内側の容器を開封した。容器の中には、はやぶさ2が2019年2月のりゅうぐうへの1回目の着陸で採取した砂が目で見て分かるほど大量に入っていた。

りゅうぐうの見た目と同じく黒い色をしており、数ミリメートルサイズの比較的大きな粒子も多い。はやぶさ2の科学責任者を務める名古屋大学の渡辺誠一郎教授は「大きな粒子があるのを見て、相当色々な研究ができるとわくわくしている」と話した。粒子の隙間の構造や有機物と鉱物が結合している状態など幅広い分析が可能になる。

10年に初代はやぶさが地球に届けたカプセルには小惑星「イトカワ」の微粒子が入っていたが、はやぶさ2は初代をはるかに上回る十分な量の試料を採取できていた。19年7月の2回目の着陸で採取した地中の砂などの試料が入った容器を開けるのは21年に入ってからになるという。JAXAは今後、どんな砂が採取できたのか記録するカタログ作りを進め、試料の詳細な分析は21年夏ごろから始まる予定だ。

JAXAはカプセルの中から採取したガスの成分を分析し、りゅうぐうの試料から放出されたものだと確認した。カプセルの容器がしっかり密閉されており、豪州でのカプセル回収直後だけでなく日本到着後もガスを採取できたことなどから、りゅうぐうの試料から放出されたガスだと結論づけた。宇宙から気体を地球に持ち帰ることができたのは世界初という。

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