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半導体装置、東エレクなど3社上方修正  21年3月期

決算深読み

半導体製造装置メーカーの業績拡大が鮮明だ。国内大手3社は28日に2020年4~12月期の決算発表を行い、全社が2021年3月期の業績見通しを上方修正した。東京エレクトロンアドバンテストの上方修正は今期2度目で、売上高はともに過去最高になる。半導体は高速通信規格「5G」の普及や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり消費でスマートフォンやゲーム機向けの需要が急拡大し、品不足が深刻化している。22年3月期も半導体メーカーの設備投資は旺盛で、製造装置メーカーの「需要活況期」は中長期的に続く可能性が高い。

東京エレクトロンは28日、21年3月期の連結純利益が前期比24%増の2300億円になりそうだと発表した。10月末に上方修正した従来予想から200億円上振れる。売上高は過去最高の1兆3600億円になる見通しで、オンラインで記者会見した笹川謙ファイナンスユニットジェネラルマネージャーは「ロジック半導体やファウンドリー(受託生産会社)の投資が一段と強まっており、半年前に予想していた需要よりも非常に強くなっている」と述べた。通期業績の上方修正と併せ、期末配当を従来予想から65円引き上げて年740円(前期は年588円)とした。

同日決算を発表したアドバンテストも今期の純利益(国際会計基準)を190億円引き上げ、21%減を見込んでいた従来予想から一転最終増益になると発表。スマホやデータセンター向けの検査装置が好調で、純利益では最高益を更新する。アドバンテストは未定としていた年間配当予想を前期比13円増の95円にすることを決めた。SCREENホールディングスも純利益予想を上方修正し、年間配当を従来予想から5円増の65円(前期は年30円)とした。

26日に21年3月期通期の業績見通しを初めて示したディスコも売上高が過去最高となる見通しで、「過去最高レベルの引き合いで工場はフル稼働」(関家一馬社長)という。

背景にあるのが、半導体メーカーの積極的な設備投資だ。韓国・サムスン電子は28日、半導体部門の20年の設備投資は19年比46%増の32兆9000億ウォン(3兆700億円)と過去最高を更新したと発表した。台湾積体電路製造(TSMC)も20年は14%増の172億㌦(1兆8000億円)だった。

「5G」の普及や在宅勤務の広がりにより、スマホやデータセンター、パソコン向けで需要が急拡大している。巣ごもりでゲーム機向けの需要も強い。さらに、20年夏ごろからは自動車生産の復調で車載向けも回復し、TSMCなどファウンドリーは生産能力が追いつかず、車載向けに回す余裕がないほど需要が旺盛だ。

米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も半導体不足に直面している。米国時間26日の決算発表後、製造を委託するTSMCがウエハー不足で製造能力が低下し、AMDの成長の重荷になる懸念が浮上した。

こうした深刻な半導体不足は、製造装置メーカーにとっては中長期的に追い風となる。半導体メーカーは今後、工場増設や設備増強など投資をさらに加速するとみられ、実際TSMCは21年の設備投資額を過去最大となる280億ドル(2兆9000億円)に引き上げた。

それに伴い、22年3月期も半導体装置メーカーの業績はさらに拡大する可能性が高い。日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、日本企業が作る半導体装置の販売額は22年3月期に前期比7%増の2兆5000億円、23年3月期は5%増の2兆6300億円と過去最高を更新し続ける見通しだ。 

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