小田急、最終赤字426億円に下方修正 21年3月期
百貨店や商業施設で減損
小田急電鉄は26日、2021年3月期の連結最終損益が426億円の赤字(前期は199億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想から赤字幅が83億円拡大する。新宿駅西口(東京・新宿)の再開発で解体する百貨店や商業施設などで減損損失を約155億円計上する。
再開発関連の減損は約120億円。東京メトロと共同で新宿駅西口にオフィスや商業施設が入る地上48階、地下5階建ての高層ビルを建設する。着工は23年3月期。新型コロナウイルス禍で客数が減っている一部のホテルでも約14億円の減損を計上する。保有する相鉄ホールディングス株の一部売却による特別利益も計上するが、減損が上回る。年間配当は前期比11円減の10円を据え置いた。
営業損益は289億円の赤字(前期は411億円の黒字)で、赤字幅は従来予想から31億円縮小する。不動産業で分譲販売が想定を上回り好調だった。
1月以降の緊急事態宣言の影響で、鉄道やホテルは苦境が続いている。2月の運輸収入は前年同月比32%減、ホテル「ハイアットリージェンシー東京」の売上高は同72%減だった。
鉄道会社では1月以降、業績の下方修正が相次いでいる。関東の大手私鉄では小田急以外にも西武ホールディングスや東急、京浜急行電鉄などが予想を引き下げた。