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NISA改正で方針転換の億超えも 個別株から投信に軸足

スゴ腕投資家のNISA活用法(2)

新NISA(少額投資非課税制度)の開始まで10カ月を切った。ここでは、株式投資で1億円以上の資産をつくった億万投資家の、2023年と24年以降のNISA活用術を紹介する。2人目は、米国株投資を手掛け、2019年に早期リタイアを達成したエルさん(ハンドルネーム)に話を聞いた。

「2024年から始まる新NISAの生涯投資枠1800万円は、超長期で資産を形成していくのに十分な金額。最大限活用したい」。米国株投資が中心の億万投資家、エルさんはこう話す。

エルさんは現行のNISA制度で一般NISAを選択している。「つみたてNISAよりも税制優遇枠が大きく、より多くの資産を割り振れる」(エルさん)からだ。過去には日本の銀行株などを購入して利益を上げてきた。

23年のNISA枠は早くも使い切った。投資先のメインは電気自動車(EV)大手の米テスラ(TSLA)で、受け渡しベースで新年相場入りした22年末と年明けに、計49株(約72万円)購入した。 

「NISAは譲渡益が非課税になることがメリット。悪いニュースが続き株が売られていたため、このタイミングで購入を決めた」。その後テスラは22年10〜12月期の売上高と純利益が過去最高となり、株価が上昇。1月末時点で取得価額比で約6割の評価益が出ている。

日本株では、工具通販大手MonotaROとコンテンツ投稿サイトのノートに投資した。テスラ株同様、割安水準と判断したためだ。年間投資枠120万円から日米株を差し引いた残りの金額は、インデックス型投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の購入に充て、枠ぎりぎりまで使い切った。

運用スタイルの変更へ

エルさんは金融資産の大半を米国の個別株運用に充てている。「短期で見ると一時的な要因で変動することはあるが、長期で見るとリスク資産への投資が一番リターンが大きい」とみるからだ。ただ、専業投資家5年目に入り、保守的な資産運用へと資産配分の変更を見据え始めてもいる。

NISA制度改正に合わせて、個別株の割合を減らしてインデックス型投信を増やす計画のエルさん。24年から始まる新NISAでは、インデックス型投信などに投資し、「最初の5年間で、生涯非課税投資枠の1800万円を使い切りたい」としている。

(井沢ひとみ)

[日経マネー2023年4月号の記事を再構成]

日経マネー 2023年4月号 インデックス投資より儲かる! 日本株&投信 勝ちワザ大全
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2023/2/21)
価格 : 800円(税込み)
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