タマホーム、一時18%高 業績上方修正を好感
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15日の東京株式市場でタマホーム株が急騰した。一時前日比262円(18%)高の1737円まで上昇し、1年1カ月ぶりの高値をつけた。前日の取引終了後に2021年5月期の業績予想を上方修正し、従来の最終減益から一転して増益としたのが好感された。併せて年間配当も増配予想とし、個人投資家らの買いが集まった。

終値は240円(16%)高の1715円で、15日の東証1部の値上がり率で2位だった。タマホームは今期の連結純利益が前期比2%増の52億円(従来予想は22%減の40億円)になる見通しだと発表。注文住宅や分譲住宅の販売が好調なためで、年間配当計画も60円から75円(前期は70円)に引き上げた。
今期は新型コロナウイルスの感染拡大や消費増税の駆け込み需要の反動で販売が鈍る懸念があるとして、業績を保守的に見積もっていた。だが在宅勤務の拡大など生活様式の変化を追い風に、強みである郊外の戸建て住宅の評価が高まっている。
松井証券の窪田朋一郎氏は「タマホームは増配で先行きへの自信を示した。マンションの高騰を受けて、割安な戸建てを選ぶ傾向も一部あり、中期的に株価は堅調に推移しそうだ」とみる。
もっとも、この日の値上がりでチャート上には「窓」と呼ばれる空白ができた。株価はここ3カ月間、おおむね1400~1500円の横ばい圏となっており、15日終値は25日移動平均を約2割上回る水準だ。短期的な過熱感への警戒や、目先の好材料は消化したとして、上値追いに慎重な声も聞かれた。