/

景気判断、製造業堅調・サービス悪化 日銀地域経済報告

日銀は14日、1月の地域経済報告(さくらリポート)を発表した。全国9地域のうち北陸や四国など3地域の景気判断を引き上げ、北海道は下方修正した。業種別では製造業は全国的に堅調に推移する一方、新型コロナウイルスの感染再拡大でサービス業の苦境は増し、明暗がはっきりと分かれた。

日銀は同日、四半期に1度の支店長会議を開き、リポートをまとめた。黒田東彦総裁は国内景気について「引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している」とした上で、先行きは「改善基調をたどるが、ペースは緩やかなものにとどまる」との見方を示した。

14日、テレビ会議で開かれた支店長会議に臨む日銀の黒田総裁(手前から2番目)=代表撮影

北海道の景気判断は「経済活動が徐々に再開するもとで持ち直しつつある」から「持ち直しのペースが鈍化している」に引き下げた。北陸と四国、九州・沖縄の3地域は「厳しい状態」や「弱い動き」から、「持ち直しつつある」などに上方修正した。関東甲信越や近畿など5地域の判断は据え置いた。

2020年4月と7月は約11年ぶりに2四半期連続で全9地域で下方修正したが、その後の感染一服を受けて前回10月には8地域で引き上げていた。引き下げ地域が出たのは2四半期ぶりで、足元の感染再拡大で回復が足踏みしている形だ。

項目別に見ると、生産は全9地域で引き上げた。全地域の上方修正は09年10月以来およそ11年ぶり。北陸は前回の「下げ止まっている」から「持ち直しつつある」に、関東甲信越も「持ち直しに転じている」から「増加している」に上方修正した。

これまで景気回復をけん引してきた自動車に加え、足元では機械やIT(情報技術)関連などの復調も目立つ。日銀の本支店による企業への聞き取りでは、「建設機械や産業用ロボットなどの資本財向けでも引き合いが強まっている」(関東甲信越の汎用機械)、「5G端末等の需要拡大で生産は増加傾向にある」(青森の電気機械)などの声が上がった。

ただ、設備投資は関東甲信越と中国の2地域で引き下げた。コロナの長期化により先行き不透明感が増すなか、「自動車関連以外の投資を可能な限り抑制している」(広島の非鉄金属)という。

さらに厳しいのはサービス消費だ。コロナの感染再拡大が直撃し、個人消費は北海道や中国など3地域で引き下げた。企業からは「感染再拡大で来店客数は再び減少に転じた」(札幌の百貨店)、「年末年始の宴会需要はほぼ消失し、非常に厳しい状況」(大阪の飲食)など苦境を訴える声が相次いだ。「政府による需要喚起策『Go To トラベル』の一時停止で年末年始の客室稼働率は50%割れと散々な状況」(関東甲信越の宿泊)という。

サービス業では「雇用調整助成金の特例措置終了後は雇用契約の見直しや雇い止めも視野に入れる」(函館の宿泊)といった動きも出て、雇用への悪影響も懸念される。

14日からは大阪や福岡など7府県も緊急事態宣言の対象に加わったが、リポートは影響を反映しきれていない可能性もある。冨田淳・福岡支店長は会見で緊急事態宣言の影響について「対面型サービスを中心に下押し圧力が強まる可能性があり、当面は足踏みが避けられない」と話した。政府は20年度予算でコロナ対応のため確保した11.5兆円の予備費の活用や、18日に開会する通常国会での第3次補正予算の成立を急ぎ、景況感のさらなる悪化を防ぐ方針だ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン