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化学大手、3社が上方修正 車・半導体向け好調 減速懸念も

化学大手はそろって業績が回復している

樹脂などの石油化学製品をつくる化学大手の業績が回復している。9日までに大手6社のうち3社が2021年3月期の連結最終損益を上方修正した。自動車や半導体向け材料の販売が好調だ。ただ、足元では一部の製品の価格が下がりつつあるほか、半導体不足による乗用車の減産など懸念材料もある。

「20年10~12月期は業績の回復に向けて非常に大きな動きがみられた」。9日にオンラインで記者会見を開いた三井化学の中島一最高財務責任者(CFO)は業績の復調ぶりをこう強調した。同日、21年3月期の純利益見通し(国際会計基準)を従来予想から150億円引き上げて前期比41%増の480億円になると発表した。

三菱ケミカルホールディングス(HD)や東ソーも20年4~12月期の決算発表に合わせて通期の最終損益を上方修正した。旭化成も半導体工場の火災による特損などで純利益は下振れするものの、売上高と営業利益の見通しを引き上げており、化学大手はそろって業績が改善している。

けん引役は自動車と半導体向けの材料だ。

車用では三井化学はバンパー向けの樹脂が、三菱ケミカルHDはランプ向けの樹脂原料などがそれぞれ伸びている。半導体向けでは東ソーが製造装置に使う石英ガラスなどが好調で、住友化学も洗浄材などの販売が増えている。

株価も上昇している。足元の株価は信越化学工業が19年末と比べて50%、三井化学も26%上がった。住友化学(同3%高)も上昇傾向にあり、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を上回る企業が目立つ。

一方、21年1~3月期には減速リスクもある。各社の21年3月期通期の業績予想から、20年4~12月期までの実績値を合計して単純に差し引くと、21年1~3月期の純利益は20年10~12月期から781億円悪化する。

住友化学の岩田圭一社長は今後の見通しについて「20年10~12月期のレベルを維持できるかは不確定だ」と指摘。三菱ケミカルHDの伊達英文CFOも「昨年12月の勢いが第4四半期(21年1~3月)もあるわけではない」と慎重だ。

樹脂の原料となるフェノールなど一部の石化製品で価格上昇に一服感があるほか、コンテナ船の海運市況なども上がっている。半導体不足による自動車の減産も収益の足かせとなる可能性がある。半導体の需要増は関連材料の販売には追い風となる一方、売上高の大きい自動車向け部材の出荷が落ち込めば、コロナ禍からの収益の回復基調に水を差しかねない。

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