わらべや日洋、一時14%高 生産再編で通期上振れ期待
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8日の東京株式市場でわらべや日洋ホールディングス株が大幅に続伸した。一時は前日比199円(14%)高の1646円まで上昇し、昨年7月以来となる半年ぶりの高値を付けた。前日の取引終了後に2020年3~11月期の連結決算を発表した。生産再編効果から本業のもうけを示す営業利益が通期計画を上回り、通期業績の上振れを期待した買いが優勢となった。

終値は13%高の1642円。東証1部の値上がり率ランキングで3位だった。
20年3~11月期の営業利益は前年同期から微減の29億円だった。主力の食品関連などの苦戦で1割の減収だったが、生産再編による収益性改善で小幅減益にとどまった。21年2月期通期の営業利益は前期比19%減の22億円を計画している。
今回の決算発表と同時に生産再編の一環で摂津工場(大阪府摂津市)の閉鎖を決めたと発表した。藍沢証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャーは「課題であった生産性の向上が進んでいる点で前向きに評価できる」と指摘する。
主力取引先のセブン―イレブン・ジャパンをはじめとしたコンビニエンスストア向けに弁当などを供給している。新型コロナウイルス禍による外出自粛ムードから、おにぎりを中心に販売苦戦が続いている。
7日には政府が首都圏1都3県を対象に緊急事態宣言を再発令した。藍沢証券の三井氏は「在宅勤務などの影響でコンビニの客数回復には時間がかかりそう」との見方も示した。今後の株価には足元で急伸した反動が訪れるリスクもある。
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