ANAの増資調達、最大3052億円に 発行価格を決定
ANAホールディングスは7日、2020年12月から21年1月にかけて実施する公募増資などによる資金調達額が最大3052億円になると発表した。7日の株価終値を基に発行価格を決定した。調達する資金のうち2000億円は航空機の購入など設備投資に充て、残りは有利子負債の返済に振り向ける。
公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しを予定する。公募増資は1億2631万株を新規発行し、払込期日は14日。発行価格は2286円と7日終値より3%低く設定した。国内で7割、残りを海外で募集する。ANAHDの発行済み株式数は3月末(3億4849万株)に比べ約40%増加する。
設備投資は運航コストを抑えられる米ボーイングの中型機の購入や、既存機の客室改修などに使う。ANAHDは21年3月期の連結最終損益を過去最大の5100億円の赤字(前期は276億円の黒字)と見込む。9月末の自己資本比率は32.3%と3月末から約9ポイント低下していた。増資により21年3月末の自己資本比率は30%台前半を確保できる見通しだ。