ソフトバンク純利益4%増、21年3月期 50億円上方修正
ソフトバンクグループの国内通信会社ソフトバンクは4日、2021年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比4%増の4900億円になりそうだと発表した。従来予想を50億円上回る。テレワークの需要の拡大でオンライン会議システムやセキュリティー関連など法人向けが好調。コロナ禍で携帯の新規契約の減少を見込んでいたが、想定を上回る。

売上高は5%増の5兆1000億円、営業利益は6%増の9700億円を見込む。従来予想はそれぞれ1%増の4兆9000億円、1%増の9200億円だった。巣ごもり需要の拡大やポイント還元の充実で、ヤフー事業のEC(電子商取引)が伸びる。衣料品通販サイトのZOZOを子会社化したことも寄与する。
流通事業では、学校の生徒に1人1台の学習端末を配布する「GIGAスクール構想」で200超の自治体からパソコンなどの販売から導入後の運用まで請け負う案件を獲得できた効果も大きい。
同日発表した20年4~12月期の連結売上高は前年同期比5%増の3兆8070億円、純利益は1%減の4337億円だった。持ち分法の減損損失や金融資産の評価減などが減益に影響した。
21年4月に新社長に就任する宮川潤一副社長は「5Gの時代が始まるなかで、総合デジタルプラットフォーマーになる」と語った。DX(デジタルトランスフォーメーション)でビジネス変革が進むなか、単なる通信会社ではなく人工知能(AI)などデジタル技術を活用したビジネスを展開していく考えだ。