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夢見る父さん、コツコツ投資で離職可能な経済自立へ

投信ブロガー

ブログ「夢見る父さんのコツコツ投資日記」を運営している「夢見る父さん」さん(51歳)は、フルタイムで働く妻、小学生の娘と首都圏のマンション(住宅ローンあり)で暮らしながら、隣の市に住む実母の在宅介護をしている。ブログ名は娘の将来の幸せを夢見て、コツコツ投資を始めたことにちなんだものだ。

今年2月には母親を介護するため早期退職(アーリーリタイア)した。離職決断の背中を押したのは1億円を超す金融資産だ。しかし、仕事を離れ改めてしみじみと感じたのは、働くことのやりがいとありがたみ。おりしも介護負担が減ってきたので、コロナ下でも粘り強く職探しを続けたところ、再就職先が見つかったそうだ。経済的に自立して早期に離職する「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」と呼ばれる生き方を一旦は選んだ「夢見る父さん」さんの資産運用を聞いた。

資産が4分の1に激減、怖いまま放置が幸いする

――いつから投資を始めたのですか。

「20年以上前の1998年です。『金融ビッグバン』という言葉に興味を持ち、日本株や投資信託を買い始めました。順調に値上がりしていると思いきや、2008年のリーマン・ショック時にはリスク資産が4分の1に激減。30歳代で2000万円あった資産があっという間に500万円に減った時は頭の中が真っ白。怖くて数年は証券口座を見られませんでした」

「でも、怖いままリスク資産を放置したのが幸いしました。アベノミクスの波に乗り資産が大きく膨らんだのです。あの時、投資から一切手を引いてしまっていたら、今の経済的な自立はなかったでしょう」

「ブログ名にもある『コツコツ投資』を始めたのは10年ほど前の11年です。娘が生まれたのを契機に娘の将来に向けてしっかり資産づくりをする気持ちが固まりました。資産運用について勉強し始めたところ、書籍を通してインデックス投資の考え方や効用を初めて知りました。父親から遺産相続した株式を売却し、その資金を元手にインデックスファンドを中心としたコツコツ投資に切り替えました」

「ブログは12年9月に始めました。きっかけは『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year』への投票権が欲しくなったからです。最近は投資に関連する政治や経済ネタ、投資詐欺への注意喚起なども書き込んでいます」

迷走気味の雑多投資をしていたことも

――金融資産の内訳を教えてください。

「98年当初の投資額は400万円くらいです。欧州の中小型株で運用するアクティブ型の投信、国内の上場個別株、外貨預金を購入しました」 

「現在の金融資産は退職金や相続資産を含み1億2000万円あります(20年11月末時点)。そのうちリスク資産は8000万円ほどです。リスク資産の配分比率は株と債券が6:4。地域配分は先進国:日本:新興国=2:1:1をざっくりとした目安にしています」

「以前は不動産投資信託(REIT)も保有していましたが、18年に住宅を購入した際に売却しました。住宅ローン控除による節税目的で、全額住宅ローンを組んでいます。今では『お宝』となった予定利率が高い養老保険も毎月積み立て続け、満期間近です」

――どんな投信を保有していますか。

「今のコツコツ投資のスタイルに落ち着く前に購入し既に売却した投信は50本以上あります。毎月分配型投信をはじめアクティブ型投信やETF(上場投信)、インデックスファンドなど多岐にわたっていました。興味を持った投信を購入しては売却といった、迷走気味の雑多投資でした」

「今も低コストのインデックスファンドを中心に35本ほど保有していますが、iDeCo(個人型確定拠出年金)と特定口座で毎月積み立て投資しているのは10本です(図A)。目標の資産配分になるよう預貯金から毎月約17万円を捻出しています」

「国内株投信に限ってはアクティブ型を選択しています。セミナーなどで運用者の説明を聞き、それぞれのファンドの運用理念に共感しました。コツコツ投資で一般NISA(少額投資非課税制度)もフル活用してきましたが、年間の非課税枠を使い切ったので一般NISAで購入した分はロールオーバーし継続保有中です」

「娘名義の口座では、未成年向けのジュニアNISAと合わせて5本を運用しています(図B)。小さいうちから積み立て投資することで、将来の金融教育に役立てたいと思っています」

多くの失敗を教訓に経済的に自立

――資産運用をしてよかったですか。失敗体験はありますか。

「もちろんよかったです。経済的な自由を手に入れたうえに、家計簿アプリを使うなど節約意識も持つようになりました。今回のコロナショックでは資産額が一時1000万円も減りましたが、いたって平静に買い増しに動くことができました。これも、資産運用の成功体験のおかげかもしれません」

「リスク資産の12年以降のリターンは年率10%程度で、出来過ぎと思います。現金を含めた総資産に対して今後年率5%程度のリターンが得られるとした場合、収益だけで毎年600万円以上になるので、総資産元本を減らさずに老後生活を送ることができる計算です」

「失敗はたくさんしています。07年に外国為替証拠金取引(FX)で大負けしたのが典型例です。1カ月で600万円損し、懲りずに5万円もする情報商材を買って翌年も挑み、さらに100万円負けてFXからは完全撤退しました。こうした失敗の積み重ねが今の経済的自立につながっています」

「投資では目先のもうけに目が向きがちです。投資歴は20年以上になりますが、人生の節目節目のライフプランを考えて後々後悔しないよう資産運用をすることの大切さが身に染みたのはつい最近です。これから投資をする人も、なるべく早く始めることで、自分自身の将来設計を真剣に考えるようになり、『老後資金2000万円問題』といったお金の不安にも踊らされなくなる気がします」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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