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米成長株投信に集中投資、リスク管理も忘れずに

運用相談室

資産運用の悩みは人それぞれ。投資信託をどう選んだらいいのかも年齢や収入、投資経験などで違ってくる。日経電子版(PC版)の検索機能を使いながら、投信選びのヒントを資産運用のプロが解説する。今回助言してくれるのは、独立系金融アドバイザー(IFA)の岩川昌樹氏。

【相談内容】都内のベンチャー企業に勤めるMさんは30代後半の独身男性。新型コロナウイルス禍で家にいる時間が増えたので、昨年夏に初めて投資信託を買ってみた。米国の成長株で運用するファンドにしたが、この1本だけでいいか不安。投資に回せるお金がまだ少しあるので、同じファンドで投資額を増やすか、別のファンドを買うか迷っている。

選択肢は2つ、方針と目的で選ぶ

コロナ禍以降の好成績が目立つこともあって、海外株式ファンドの人気が高まっていますね。投資デビューを果たしたMさんが自分に合った資産運用を続けられるように、早い段階でリスク管理についても理解を深めておきましょう。

まず、投資は方針や目的によって適切な方法は様々です。大きく2つに分けて考えてみましょう。1つ目はリターン追求に比重を置いた投資、2つ目は家計全体の資産管理による投資です。Mさんが始めた米国成長株式へ投資は前者に近いと考えられます。

この方針で今後の運用方法を検討するなら、既に購入した米国成長株投信への追加投資が選択肢になります。過去の運用実績を振り返ると、米国株式市場全体をカバーする「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動する上場投資信託(ETF)の価格はこの10年で約3倍になりました(図表1)。特にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5倍近くになり、米国株式はとても魅力的な投資対象に見えます。

その一方でリスクを忘れてはいけません。リターンとリスクは比例します。高いリターンを狙うには、それ相応のリスクを受け入れる必要があるということです。Mさんが選んだファンドは米国株式への集中投資です。新興国株式ほど値動きは大きくありませんが、リスクへの理解が欠かせません。相場下落を精神的な「忍耐」で乗り切るプランは、正しいリスク管理とはいえません。もっと具体的な方法で資産を守るための備えが必要になります。

「国際分散投資」でリスク管理を

リスク管理とは組み入れ資産の割合調整や分散投資などによって、値動きの大きさや損失リスクを低減することです。リスクとリターンをバランスよく管理する方法としては、世界各国の公的年金運用が実践している「国際分散投資」が参考になります。国内外の株式や債券に分散投資するやり方です。

投資初心者でも決して難しくありません。Mさんの場合はすでに米国成長株投信をお持ちですが、ほかの先進国の株式に投資対象を広げたり、値動きが異なる先進国債券に投資するファンドを追加したりするのがおすすめです(先進国債券型ファンドの検索方法は図表2を参照)。少し具体的に見てみましょう。

家計全体の資産が2000万円あるとします(図表3)。このうち預金以外を米国株式に集中投資したのが(A)、先進国の株式と債券への分散投資が(B)で、年平均リターンはそれぞれ3%超と4%超という試算結果になりました。資産別では米国株式のパフォーマンスの良さが目立ちますが、リスクを考慮してうまく分散投資すれば資産全体のリターンを上げられます。特定の資産の高いリターンに執着しなくても、家計全体で資産を管理しながら運用を続ければ、長期的に資産を増やしていけるのです。

岩川昌樹氏 FPブレーン(千葉市美浜区)社長
国内大手証券、外資系保険会社勤務を経て2003年4月にFPブレーンを設立

(QUICK資産運用研究所)

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