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2020年の投信運用、半分近くが損益マイナス

投信観測所

年末を控え世界の株式相場が上昇基調にあるが、投資信託の運用は今春に起きたコロナショックの傷痕がまだ癒えていない。相場の急変動でリターンを大きく伸ばした投信もあれば、マイナスに沈んだものもある。投資対象や商品設計などの違いで明暗がくっきり分かれた。

運用損益は五分五分

一般的な国内公募の追加型株式投信について年初来の運用成績を11月末時点でまとめたところ、プラスを確保したのは全体の約54%(図A)。残り半分近くはマイナスのリターンだった。コロナショック後の相場回復で年後半に運用環境が好転した印象が強いが、投信全体ではほぼ五分五分の結果となった。

リターン10%超は海外・国内株式型

年初来リターンがプラスとマイナスそれぞれ10%超の投信を投資対象資産別に区分したのが図Bだ。プラス10%超のリターンを上げた投信の大半は、海外や国内の株式で運用するタイプだった。上位には海外の先進国の成長株に投資するファンドが並び、「eMAXIS Neo 自動運転」や「グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)」は年初来リターンが100%を超えた。

国内株式で運用するタイプでは、「厳選ジャパン」や「DIAM新興市場日本株ファンド」(現在は販売停止中)が80%前後のリターンを上げるなど、主に中小型株に投資するアクティブ(積極運用)型ファンドの好成績が際立った。

REIT型が運用不振に

一方、リターンがマイナス10%超の投信には、海外や国内の不動産投資信託(REIT)を投資対象とするファンドが多かった。特にマイナス幅が大きかったのは、REITに加え、ブラジルレアルなど高金利の新興国通貨に投資する「通貨選択型」や、オプション取引を組み合わせて「カバードコール戦略」をとる複雑な仕組みのファンドだ。海外株式型で運用が振るわなかったのは、新興国株式に投資するタイプ。投資対象が先進国株式でも、通貨選択型やカバードコール戦略のファンドはダメージが大きかった。

今回のコロナ禍による動揺は、結果的に相場急変に強い投信とそうでない投信をふるいにかけた。長期の資産形成に取り組む個人投資家にとっては、いま保有しているファンドやこれから買おうとするファンドの特性を見極めるよい機会になった。

(QUICK資産運用研究所 西田玲子)

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