投信残高首位に「非毎月分配型」 19年ぶり
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)で、純資産総額(残高)の首位が入れ替わった。1月中旬にトップへ浮上したのは、日興アセットマネジメントが運用する年1回決算型の「グローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>」。2019年4月から首位を維持していた「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(グロイン)を追い抜いた。

このまま1月末時点でも「イノベーティブ・フューチャー」が残高首位をキープした場合、歴史的な交代劇になる。月末ベースで「非毎月分配型」のファンドが1位になれば、およそ19年ぶり。2001年12月まで2年近くトップだった年2回決算型の「ノムラ日本株戦略ファンド<愛称:Big Project-N>」以来となる。
「イノベーティブ・フューチャー」の残高は20日時点で9905億円まで増え、1兆円の大台を視野に入れている。2位に後退した「グロイン」は9604億円。3位も年1回決算型の「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」で8936億円だった。残高上位10本中の6本を「非毎月分配型」が占める。
19年間にわたり残高首位を守ってきた「毎月分配型」は、2017年ごろから全般に資金流出へ転じた。運用不振による分配金減額に加え、「長期の資産形成に不向き」とされる毎月分配型を金融機関が積極的に販売しなくなったことが影響している。分配金の受け取りを主目的としたこのタイプに代わって、最近は海外の成長株への投資で利益の積み増しを狙う決算頻度の少ないタイプが台頭している。
(QUICK資産運用研究所 竹川睦)