20年の投信、資金流入首位は「未来の世界ESG」
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA専用を除く)を対象に2020年の資金流入額を12月25日時点でランキングしたところ、上位には米国を中心とした先進国の株式で運用するファンドが並んだ。10本中8本が海外株式型だった。20年中に設定された新しいファンドも目立った。
資金流入額は「未来の世界(ESG)」が断トツ
設定から解約を差し引いた資金流入超過額(推計値)が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」だった。20年7月の運用開始から資金流入の勢いが衰えず、断トツで7773億円の資金を集めた。みずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行が販売した。

2位は、日興アセットマネジメントが運用する「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」。こちらも20年7月の設定から月次ベースで資金流入が続き、3692億円を集めた。世界の非接触型ビジネス関連の株式に投資する。
4位には上位10本中で唯一、バランス型の「投資のソムリエ」がランクイン。コロナショック時に機動的な資産配分の変更で対応し、その後の回復局面でも運用成績を伸ばした。リスクを抑えた安定運用を好む投資家からの資金流入が続いている。
「ひふみプラス」は2000億円超の流出
一方、資金流出額が最も大きかったのは、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」。利益確定を目的とした解約が出たとみられ、年初からの流出額は2000億円を超えた。2位はBNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパンの「モビリティ・イノベーション・ファンド」だった。

3位にはコロナショックで値下がりし、4月末に繰り上げ償還されたアムンディ・ジャパンの「アムンディ・ダブルウォッチ」が入った。このほか、かつて人気を集めたロボットやゲノム関連のテーマ型ファンドからも資金流出が目立った。
(QUICK資産運用研究所 竹川睦)