資金1200億円、株式で運用 コーエーテクモ襟川会長
経営してみたい会社に投資 祖母に学んだ長期目線の哲学
「三国志」や「信長の野望」などのゲームシリーズで知られるコーエーテクモホールディングス(3635)は、実は多額の手元資金を株式などで運用する機関投資家としての顔も併せもっている。1200億円もの運用資金を一手に引き受ける襟川恵子会長に、投資経験や運用哲学を聞いた。
――投資収益が業績を底上げしています。どのような運用を手掛けていますか。
「日米・香港の株や仕組み債を中心に投資しています。注目しているのは米国で、GAFA各社は昔から保有しています。人工知能(AI)やIoT、クラウド、セキュリティーなど先端分野にも注力しています」
「個人的に一番好きな銘柄はネットフリックスなのですが、これはどういうわけか乗り遅れました。買いのタイミングをつかめないうちに大きく上昇してしまい、悔しい思いをしています。今後はコロナ禍の終息を見据えて先端技術を駆使した旅行関連や、売られすぎた銘柄への投資も考えています」
――全て個別銘柄で運用しているのですか。
「IT(情報技術)関連などの公募ファンドを証券会社から勧められることもありますが、興味はありません。現物株を手掛ける方が性に合っています。債券に関しては、自分で銘柄を選んで仕組み債を組成しています。昔は200~300銘柄ほどに分散していましたが、多すぎると無駄があるので、今は保有銘柄を半分ほどにしています。グロース株が多いですね」
「当社の規模であれば、理想は中長期目線で20~30銘柄あれば十分だと考えています。分散しても相場全体が下げれば意味がありませんから」
――どのように銘柄を選んでいますか。
「投資をする基準は、『自分が入社したい、経営してみたい会社かどうか』です。特に創業者が...
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