/

米FRB連続利上げをThink! 尾河真樹さんらが投稿

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。7月22~29日の記事では、ソニーフィナンシャルグループ執行役員兼金融市場調査部長の尾河真樹さんが「米国の連続利上げ」を読み解きました。このほか「女性役員の選任状況」「リスキリングで企業間連携」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「米国の連続利上げ」をThink!

FRB、0.75%利上げを連続実施 インフレ抑制を優先(7月28日)
米連邦準備理事会(FRB)は27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍となる0.75%の利上げを決めた。前回の6月会合で約27年ぶりに0.75%の利上げを決めており、連続の実施となる。

尾河真樹さんの投稿】「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれて、引き上げペースを緩めることが適切となる可能性が高い」とのパウエル議長の発言を、市場はハト派と捉えたようで、長期金利の低下やドル安を促した。FF金利先物をみると、市場は来年以降のFRBの「利下げ」を早々と織り込んでいるが、今後さらに長期金利が低下しドル安が進めば、かえって住宅市場の活性化や景気刺激に繋がるなど、高インフレが継続してしまうリスクもある。それもあってか米期待インフレ率は昨日上昇した。次回9月FOMCまでに判明する7月、8月の雇用統計や消費者物価指数は注目だ。大幅な利上げを続けなければならない場合はドル高とともに株安が進む可能性がある。

「女性役員の選任状況」をThink!

女性取締役は社内から 市場は迫る「ゲタ履かせても」(7月23日)
市場関係者の会合で頻繁に話題になる数字がある。世界経済フォーラム(WEF)が13日に発表した男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数だ。日本は146カ国中116位と、主要7カ国(G7)のなかで最低。韓国や中国より低い。

関美和さんの投稿】女性にゲタを履かすのではなく、「男性がゲタを脱ぐ」のがよろしいのではないでしょうか? 

マイノリティが上に昇るには、マジョリティが持つ構造的な特権をマジョリティ側が自覚して、故ギンズバーグ判事が言ったように「踏みつけているその足を外す」という意識が必要だと思います。

「リスキリングで企業間連携」をThink!

「人への投資」ソニーなど100社超連携 相互に兼業も(7月24日)
ソニーグループキリンホールディングスSOMPOホールディングスといった日本の主要企業が、社員のリスキリング(学び直し)で連携する協議会を8月に設立することが明らかになった。経済産業省と金融庁が支援し、100社超の参加をめざす。

柳川範之さんの投稿】人への投資に関する企業間連携の取り組みはとても重要だ。1社では、できることに限界があるし、コストもかかる。何よりも、自社にない知見を得るようなリスキリングが必要な場合、社内教育だけでは限界が出てしまう。このコンソーシアム内で、相互に兼業や副業を許す枠組みができれば、それぞれの人材の幅を広げるという点で有効だろう。可能ならば社内研修の共有化等も取り組んではどうか。他社の社内研修を受けることができれば、新たな能力獲得に役立つ。

大事なことは、このようなコンソーシアムづくりを、単なる計画づくり、枠組みづくりに終わらせず、実質的な成果があがるような取り組みにしていくことだろう。

「ゆでガエル国家日本」をThink!

ゆでガエル国家日本 人手不足644万人、年金や介護臨界(7月25日)
継続的な人口減少局面に入ってからすでに14年たったのに、労働力不足を克服し、年金、医療、介護の機能不全を防ぐ道筋は見えない。少子化対策も踏み込みが甘く、このままでは「ゆでガエル」になりかねない。

高島宏平さんの投稿】記事の内容に賛成です。数字的な説得力もありました。実は政治家の方も、内容に賛成する方は少なくないと感じます。では、なぜ政治家の方も賛成する正しい方向の政策が実行されないかというと、大きなボトルネックの一つが選挙です。こういった施策は選挙に不人気とされているので、与党も野党も取り上げず論点にすらなりません。正しいけど不人気とされる政策に逆張りするような野党が出てきてくれても良いのになと思います。

ということで、現政権が安定的政治力を持った今は、このような施策の実行のチャンスです。硬直化した日本の人材市場を攪拌するような政策が必要です。

「G7最多の新規感染者数」をThink!

コロナ新規感染、日本がG7最多 厳格水際に海外から批判(7月27日)
新型コロナウイルスの感染拡大「第7波」が到来するなか、日本の新規感染者数が主要7カ国(G7)の中で最多となった。多くの先進国が往来再開にかじを切るのと対照的に日本は厳格な水際対策を続ける。

仲田泰祐さんの投稿】水際対策の社会経済への影響に関してはいくつか試算がありますが、感染への影響に関しては分析がほとんどありません。私のチームが第7波前に行った分析では、「水際対策が感染の動向に大きな影響を与えるとすれば、それは新たな変異株の流入を遅らせることを通してである」ことが言えます。

https://www.bicea.e.u-tokyo.ac.jp/policy-analysis-7/

https://www.bicea.e.u-tokyo.ac.jp/policy-analysis-6/

日本のように、実際に感染者数が増えてようやく「コロナ政策方針の調整をすべきかの議論」が検討されるというスピード感では、水際対策で変異株の流入を遅らせることの時間稼ぎベネフィットは非常に小さいのかもしれません。最後になりましたが、第7波が既に起きている現在時点では水際対策の感染抑制効果は低いと推測します。

「米陸軍、アジアに新部隊」をThink!

米陸軍、アジアに新部隊配置検討 サイバーや防空強化(7月27日【イブニングスクープ】)
米陸軍がミサイルや電子、サイバーといった能力を一体的に扱う作戦部隊をアジアに配置する案を検討していることが分かった。電子やサイバー領域の能力を生かし、効果的な作戦を迅速に実行する。

松原実穂子さんの投稿】ウクライナ情勢を受け、米陸軍は、サイバー・電磁波を含めたハイブリッド戦能力向上のための演習、改革案を最近矢継ぎ早に発表している。まず、4月16日付のAP通信の報道によると、米陸軍は、ロケット砲やミサイルでの都市の制圧を厭わず、ジャミングも行い、ソーシャルメディアで相手国のせいにした不正確な非難を拡散する敵国との対峙状況を想定した演習をカリフォルニア州フォート・アーウィンで行った。また、6月10日の米陸軍広報担当のFedScoopへのメール回答によると、2030年までに米陸軍サイバー部隊の規模を現在の3000人強から6000人強まで増やし、米陸軍州兵の電子戦部隊も拡大するとのことである。

https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-us-army-training-54e76eba46f9bf79542dd3f872456e67

https://www.fedscoop.com/army-to-double-size-of-active-duty-cyber-corps/

「米グーグル持ち株会社の連続減益」をThink!

アルファベットの4~6月、純利益14%減 ネット広告減速(7月27日)
米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが26日に発表した2022年4~6月期決算は、景気の減速懸念が強まっていることを背景に主力のインターネット広告事業の成長が鈍化し、2四半期連続の減益となった。

蛯原健さんの投稿】総じてまずまずといったところであろう、株価もそのように反応している。本業の検索広告収益は堅調でむしろ競合製品より相対的に強い事を示した一方で、ユーチューブ広告が成長鈍化しTikTokのみならずメタ等含めたショート動画競争激化によって動画一強ポジションが崩れた事が明確化した。クラウドも予測には届かず。もっとも2事業ともに足下景況感に加えて売上過半が米国外の同社にとって急激な米ドル独歩高の減収効果を鑑みると、決して悪い決算ではないだろう。

総じて底堅い収益状況を鑑みて経営としては、採用の抑制等によって守りを固めつつAI、クラウド等新規事業を育てる方針に変化無しだろう。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

Think!まとめ読み

各界エキスパートが注目記事にひとこと解説を投稿する「Think!」。電子版会員の皆さんの関心を集めた記事を、Think!の解説とともにまとめ読みできます。

Think!とは?   ・Think!投稿一覧
【動画】Think!エキスパートと考える「2022年のワークシフト」

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン