トヨタ社長交代 中西孝樹さんらとThink! - 日本経済新聞
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トヨタ社長交代 中西孝樹さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。1月20〜27日の記事では、ナカニシ自動車産業リサーチ代表アナリストの中西孝樹さんが「トヨタ社長交代」を読み解きました。このほか「物言えぬ組織は成長止める」「ドイツ、主力戦車の供与決定」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「トヨタ社長交代」をThink!

トヨタ自動車社長に佐藤恒治氏 豊田章男氏は会長に(1月26日)
トヨタ自動車は26日、4月1日付で佐藤恒治執行役員(53)が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格すると発表した。豊田章男社長(66)は代表権のある会長に就く。14年ぶりの社長交代となる。

【中西孝樹さんの投稿嵐の中の船出の2009年から実に13年間、豊田社長が会長となる決定が下されました。次期社長への交代は近く予想されたことですが、現在のEVやソフトウェア開発でのつまづきの収拾を実現してからのタイミングが濃厚かなと個人的に考えていましたので、このタイミングはややサプライズ。3副社長からの選定となる可能性が高かったと思われましたが、53歳の若い佐藤次期社長への任命の理由は、①トヨタ文化の伝承者、②クルマが大好きなこと、③若さの3つだそうです。豊田社長は、「トップの体力、気力、情熱が必要だ」と語り、次期社長を軸にチーム経営を進め、モビリティカンパニーへの転身の加速化を目指す考えです。

「物言えぬ組織は成長止める」をThink!

社員の声、聞こえてますか 物言えぬ組織は成長止める(1月23日)
社員の力を引き出す「最高の職場」とは何か。答えを聞きに米カリフォルニア州を訪ねた。ウェブサイト構築を手掛ける約120人の会社、クライアントブーストは米国の最高の職場ランキング2022年版で中小部門1位に輝いた。約230万社を掲載する求人サイト「グラスドア」が社員口コミから導いた評価だ。

【石田裕子さんの投稿】社員の忖度のない率直な声は、ただ聞くだけでは意味がなく、それをどう組織運営に生かしたか、その結果どうなったかを検証するところまでがワンセットのような気がしますが、その前段階の「社員の声に耳を傾ける」という仕組みや風土がない企業があまりにも多いと思います。「本音を言ったら評価が下がる」「何を言っても無駄」という組織風土だと、何も改善されることなく企業の成長が止まってしまうことは間違いありません。一方で、「社員が自由に発言できる風土作り」が全ての解決策ではなく、問題点や改善点を指摘して終わるだけではない、自ら解決に向かうアクションを促すような工夫を講じていくことも必要ではないかと思います。

「ドイツ、主力戦車の供与決定」をThink!

ドイツが主力戦車を供与決定 米国も提供、欧州安保強化(1月25日)
ドイツ政府は25日、ウクライナに独製主力戦車「レオパルト2」を供与することを決めた。ショルツ首相はこれまで供与に慎重だったが、欧州安全保障の強化に向けて方針を転換した。

【鈴木一人さんの投稿】ドイツにおける議論は、戦車の提供によるウクライナ側の優勢を獲得することと、それが戦線を拡大し、ロシアの過剰な反応を引き出す可能性がある、という間でのバランスだった。こうした「仮定」に基づく議論は、日本でも共通する。「もし○○が起きたらどうする」という心配から反対するというのは、過去に痛い目に遭った国々ならではのことだと思うが、同時に、そうした「仮定」に基づく反対は国際社会において賛同を得ることは難しい。それが結果としてドイツへの批判となっていた。今回の一連の流れは日本にとっても学ぶところが多い。

「岸田首相、日銀総裁の交代明言」をThink!

岸田首相、黒田日銀総裁の交代明言 2月に人事案提示(1月22日)
岸田文雄首相は、4月8日に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁を交代させると明言した。

【上野泰也さんの投稿】総裁・副総裁交代後の日銀の新体制は、「異次元緩和の総決算」を行えるのだろうか。現実的にはいくつかカベがあるように思う。まず、日本経済の実情。異次元緩和を解消するということは、金利がさらに上昇するということにほかならない。景気回復が不十分な中で、どこまで利上げを重ねることができるか。次に、為替相場の円高リスク。米FRB(連邦準備制度理事会)は利上げを近く停止する見通しで、秋以降には利下げに転じる可能性がある。そうした中で日銀が金融引き締め路線を鮮明にすれば、円高ドル安が急進行して経済成長率や物価を押し下げる。さらに、自民党安倍派の存在がある。「アベノミクス」の骨抜きに、彼らは強く抵抗するだろう。

「都区部物価4.3%上昇」をThink!

都区部物価4.3%上昇 1月、41年8カ月ぶり高水準(1月27日)
総務省が27日発表した1月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.2と前年同月比4.3%上昇した。

【永浜利広さんの投稿】ちなみに、財とサービスに分けてみると、輸入物価の影響を受けやすい財価格が+前年比8.1%と海外並みに上昇しているのに対して、サービス業の賃金と関係が深いサービス価格は同+1.2%しか上昇してません。なお、41年8カ月前の81年5月は、財が+5.0に対してサービスが同+4.4%となり、輸入物価が上がりながらも賃金も上がっていたことが窺われます。以上より、いかに今回の物価上昇がコストプッシュの側面が大きいかがわかるでしょう。

「最強寒波、3つの要因」をThink!

「最強寒波」地球温暖化なのになぜ 浮かんだ3つの要因(1月26日)
日本列島を襲った今季最強の寒波は普段雪の少ない都市部にも積雪をもたらし、鉄道や高速道路の立ち往生を引き起こした。北極から南下した強い寒気が主因だが、地球温暖化の影響も指摘される。世界的に異常気象が相次ぐ中、国内でも局地的な豪雪リスクへの備えが求められる。

【伊藤さゆりさんの投稿】ここのところ平年並みに戻っているようですが、この冬、欧州では、暖冬が続いていました。暖冬の恩恵で、ロシアからの大幅な天然ガスの供給削減にも関わらず、ガスの貯蔵率は高い水準を保つことができ、ガス不足の懸念は大きく後退、天然ガス価格も平時よりは高値ながらも落ち着きました。欧州のエネルギー供給は、風力の低下や旱魃、夏場の異常な高温など、気候現象によっても不安定化していましたが、足元は、風力発電や水力発電など再エネも順調。気候が「味方」となる好循環に転じています。それでも、気候変動の激甚化は明らかであり、好循環から悪循環に転じるリスクへの警戒は怠れません。

ニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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