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岸田首相、ウクライナ訪問 岩間陽子さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。3月17〜24日の記事では、政策研究大学院大学政策研究科教授の岩間陽子さんが「岸田首相、ゼレンスキー氏と会談」を読み解きました。このほか「クレディ・スイス買収」「WBC優勝」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「岸田首相、ゼレンスキー氏と会談」をThink!

岸田首相、ゼレンスキー氏と会談 広島サミット参加表明(3月21日)
岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問しゼレンスキー大統領と会談した。主要7カ国(G7)の議長としてウクライナへの「揺るぎない連帯」を強調した。殺傷能力のない装備品の提供へ3千万ドル(40億円程度)を拠出する。

岩間陽子さんの投稿】タイミングについては様々な意見があると思いますが、最終的には総理以外に責任を取ることのできない決断であり、よくご決心なさったと思います。G7首脳の中で最後になったというのも、それはやはり日本という国がこれまで軍事ということに最も向き合ってこなかったためであり、正面から受け止めるしかないと思います。不器用な一歩であっても、確かに踏み出した一歩であり、実際に戦争を戦うということの厳しさを、ウクライナを通じて学んで、今後につなげていかなければと思います。

「クレディ・スイス買収」をThink!

UBS、クレディ・スイスを買収 4200億円で合意(3月20日)
スイスの金融機関最大手UBSは同2位のクレディ・スイス・グループを買収する。スイス政府とUBS、クレディ・スイスが19日発表した。買収額が30億スイスフラン(約4260億円)相当となる株式交換で実施する。

森幹晴さんの投稿】UBSによるクレディ・スイスの買収協議、電光石火の決着で交渉当事者のみならず、世界中の市場関係者と金融当局は安堵しただろう。クレディ・スイスの事業の全部か一部分割するか焦点だったが、株式交換で全部買収となった模様だ。その分買収額は30億スイスフランと市場株価を下回る価格で、かつ、スイス当局から90億スイスフランの政府保証を得た模様だ。金融機関の救済買収で政府保証をつけたケースとしては、98年に経営破綻した長銀をリップルウッドに売却した際に日本政府が貸倒債権の瑕疵担保を合意したケースが想起される。クレディ・スイス買収によるメリットをどう生かし、負の清算をどう行うか、UBS経営陣の力量が問われる。

「WBC優勝」をThink!

大谷翔平、同僚トラウト封じ「ベストの瞬間」 WBC優勝(3月22日)
大谷で始まったWBCは、大谷で終わった。九回のマウンドに右腕が立つ。それだけでも劇的な展開だが、全てはこの結末を迎えるためにあったのかと思うようなシナリオが待っていた。

中竹竜二さんの投稿】これまでスポーツの世界では、感情を出すことはある意味否定されてきた側面がある。これはビジネスマネジメントの領域でも同じだ。だが、裏を返せば、結果が全ての世界だからこそ、逃げられない現場でステージに立つ選手たちの感情や想いに心揺さぶられたのだろう。自信と不安の交錯、起用する側である監督の信念と葛藤、仲間を大切にする気持ちと敵チームを尊重する気持ち、さまざまな感情を素直に自由に表現してくれたWBC選手、コーチ、スタッフの皆さんに改めて大きな感謝を伝えたい。

「次元の異なる少子化対策」をThink!

「男女で育休取得なら手取りの10割」 岸田首相表明(3月17日)
岸田文雄首相は17日午後6時から首相官邸で記者会見を開き、子育て支援・少子化対策について説明した。

鈴木亘さんの投稿】育休中(おそらく1か月程度)の10割所得補償は良かったと思うが、後は実に細々した内容で、枯れ木も山の賑わいというか、まるで竹やり戦術のようであった。おまけに、具体化はこれからである。問題は、これらの竹やり施策を全て合算しても、とても子育て予算倍増になりそうもないことである。児童手当の大幅拡充などで、この後、もっと大きな施策が出るのか、それとも、少子化対策とはおよそ無縁の保育や幼稚園の業界団体へのバラマキが出るのか、倍増自体が数字のトリックなのか。それにしても、総理会見の後の記者たちの質問が酷かった。少子化対策への具体的な質問や財源に対する鋭い追及があるのかと思ったら、関係ない話ばかりで驚いた。

「東芝、買収案受諾」をThink!

東芝、買収案受諾を決議 国内連合が1株4620円でTOB(3月23日)
東芝は23日、日本産業パートナーズ(JIP)などの連合による買収提案を受け入れることを取締役会で決議したと発表した。JIPが7月下旬をめどにTOB(株式公開買い付け)を実施する。

山口利昭さんの投稿】第2次安倍内閣の下で日本企業のガバナンス改革が始まった2014年の年末、複数の社員がSESCに会計不正を内部告発したことから東芝の迷走が始まりました。もし、勇気ある社員の告発がなかったとすると、今頃東芝はどうなっていたのでしょうか。ソフトランディングはあったのか。思うに、不正が発覚するまでの東芝は、誰もが模範としていた「ガバナンスの優等生」でした。しかし不正発覚後の再生への道のりは、まさにガバナンス改革の流れに翻弄されてきました。非公開化によって経営の自由度が上がることが期待される反面、金融機関による融資条件の厳格化で、結局のところ日本型経営に戻ることになるのではないかとの懸念は拭えません。

「韓国大統領『日本すでに数十回謝罪』」をThink!

韓国大統領「日本すでに数十回謝罪」 反日利用に反論(3月21日)
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日の閣議で、元徴用工問題などの歴史問題に対する自らの立場を表明した。「日本はすでに数十回にわたり、私たちに歴史問題について反省と謝罪を表明している」と述べ、反日を政治利用しないよう呼びかけた。

鈴木一人さんの投稿】元々、政治家ではなく、検察の世界で生きてきたユン大統領だからこそ、こうした発言が出来るのだろう。これまで韓国の政治の中で「反日」「親日」はあまりにも重要な政治的争点となり、日本が実際にどうしたのか、ということではなく、相手陣営を黙らせるために、ないしは国内世論の批判を避けるために、日本が謝罪していないという立場をとり続けてきた。しかし、謝罪問題をきちんと正面から受け止め、韓国政治のコンテキストから外して議論できる、政治家ではない大統領が出てきたことで、日韓関係はまさに新たな局面を迎えることになるだろう。


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【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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