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中林美恵子さんらと振り返る2021年 Think!まとめ読み

7~9月の注目ニュース

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。電子版記事とエキスパートの解説を通じて2021年を振り返るシリーズ、第3回は7~9月です。読者の関心を集めた記事から、早稲田大学教授の中林美恵子さんの投稿をはじめ、「Think!」担当者がえりすぐったエキスパートの解説を紹介します。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

7月の注目ニュースをThink!

報酬1億円以上の役員、2年ぶり増 日立は15人(7月13日)
2021年3月期に1億円以上の報酬を得た日本の上場企業の役員は544人と2年ぶりに増えた。

小泉文明さんの投稿】経営者の報酬の妥当性は本当に難しいと思います。日本においては高すぎることで社員からの見え方や格差によるデモチを気にされ上げきらない経営者が多いように感じる一方で、求められる役割や責任は年々大きくなっています。

またグローバル企業では人材の取り合いによる年収の高騰は待ったなしであり、日本企業が高いサラリーを払わない限りグローバルカンパニーを経営出来る優秀な人材の確保は難しくなります。当社でも海外採用はグローバルテック企業の水準を意識しないと難しい状況です。

報酬には相対感もあるので、現実的には下がっていくことは無く、より報酬が上がっていく方向は避けられないと思います。

東京五輪が開幕 無観客で開会式、コロナ対策前面に(7月23日)
第32回夏季オリンピック東京大会が23日夜、開幕した。国立競技場(東京・新宿)での開会式は新型コロナウイルスの影響で近代五輪史上、初めて無観客で行われた。

伊佐山元さんの投稿】開会直前までトラブル続きだったオリンピック。選手の皆さんには最高のパフォーマンスを発揮してもらい、世界大運動会を最大限盛り上げて視聴者に元気を与えてもらいたい。

他方、今日時点での海外のメディアの論調を見ても、なぜ延期できなかったのか、コロナが悪化する中での強行開催なのかという声が多い。また関係者の倫理観や歴史観の欠如も指摘されている。今回のオリンピックをきっかけに、今後の日本のリーダーシップのあり方をしっかりと議論して明確にし、世界の常識を理解して意識した経営を徹底する機会になれば良いと思う。

8月の注目ニュースをThink!

世界のコロナ感染者、2億人突破 半年で倍増(8月5日)
世界の新型コロナウイルスの累計感染者数が4日、2億人を突破した。患者数が1億人に達するには1年超かかったが、2億人には約半年しかかからなかった。

渡部恒雄さんの投稿】歴史的にみてもパンデミックは定期的に起こるものだということがわかります。今回の新型コロナで実感したことは、有効なワクチンを作ることはできても、それを短期間に世界に供給するには多くの壁があることや、ワクチン数が確保されたアメリカでも、ワクチンを巡る信頼が偽情報や政治対立などで接種率を上げるのが容易ではないことです。

日本も世界も、コロナパンデミックを経験して、どのように次に備えるべきなのかを、医療制度、法制度、情報セキュリティなど、様々な角度から考えていかなくてはなりません。そのためにも、現在進行中の第五波をどう克服するのか、日本人ひとりひとりの行動や政府の姿勢が試されていると思います。

米軍、アフガン撤収完了 米最長の20年戦争が終結(8月31日)
バイデン米大統領は30日の声明で「20年間にわたる米軍のアフガニスタン駐留が終了した」と明らかにした。掃討をめざしたイスラム主義組織タリバンが復権し、米史上最長の戦争は敗走に近い形で幕を閉じた。

中林美恵子さんの投稿】アメリカが世界の警察官から実際に降りた瞬間といえるだろう。ウサマ・ビンラディン容疑者殺害から約10年。撤収は先送りされ続けてきた。

9.11当日、私は上院予算委員会で公聴会の準備中だった。あの瞬間に財政問題は吹っ飛び、国土安全保障省設立作業が始まり、対テロといえば予算は天井知らずになった。各人のデスクには星条旗の小旗、数ある窓ガラスには大きな星条旗。政府主催の犠牲者メモリアルサービスではオフィスの皆がTV前に集合し涙した。その年、中国は好条件でWTOに加盟。米議会ではそれを審議する余裕さえなかった。アフガンの苦い経験が、今後の民主主義と強権主義の闘いにどう活かされるのか。民意の影響も大きい。

9月の注目ニュースをThink!

背水の行政DX デジタル庁発足、縦割り崩せるか(9月1日)
デジタル庁が1日、発足した。アナログ国家のまま衰退の瀬戸際に立つ日本で、行政デジタル化の推進は経済・社会全体にデジタルトランスフォーメーション(DX)を波及させる最後のチャンスだ。

チャールズ・レイクさんの投稿】新型コロナウイルス対応で、日本のデジタル化の遅れが「デジタル敗戦」と称されてから早1年になる。本日始動するデジタル庁が、ロケットスタートを切り省庁横断で機動的な改革を進め、結果を出すことを多くのステークホルダーが期待している。

その為には、民間分野が先進的に取り組んでいるデジタルトランスフォーメーション(DX)における成果や知見を最大限活用し、徹底的にユーザー視点で解決法を探るデザイン思考を活用すること、そして、想定顧客の悩みの種の解決に集中し機能横断のチームで反復的プロセスを通じて成果を出すアジャイル手法を活用することが必要である。国民生活の向上に資するDXが一挙に推進することを期待したい。

勝敗超えた感動、五輪・パラのあり方示す 大会閉幕(9月6日)
東京五輪・パラリンピックが幕を閉じた。新型コロナウイルス禍で期待された経済効果は限られ、商業主義を歩んだ大会のあり方に一石を投じた。

中竹竜二さんの投稿】開会式&閉会式に関していえば、さまざまな理由や背景があったにせよ、国内だけでなく、海外メディアからの評価は、圧倒的にパラリンピックの方が高かった。新しい時代を一歩先取りしたメッセージが巧みに盛り込まれていた。ステージのパフォーマンスにおいても、個性はバラバラだったが、全体としてのつながりや一体感が醸成され、ダイバーシティ&インクルージョンを体現していた。

今後、パラリンピックが先に開始されたら、また違った大会になっていくだろう。何れにせよ、4年のブームで終わらないようにしたい。

【2021年を振り返る Think!まとめ読み】
・池上彰さんらと振り返る 1~3月の注目ニュース(12月25日公開)
・平井一夫さんらと振り返る 4~6月の注目ニュース(12月27日公開)
・山口周さんらと振り返る 10~12月の注目ニュース(12月29日公開予定)

Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。
【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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