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JTBの本社ビル売却 大槻奈那さんらとThink! 

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。9月10~17日のニュースでは、マネックス証券専門役員チーフアナリストの大槻奈那さんが「JTBの本社ビル売却」を読み解きました。このほか「企業の値上げ力」「北朝鮮のミサイル発射」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「JTBの本社ビル売却」関連ニュースをThink!

JTB、東京の本社ビルなど売却 手元資金確保急ぐ(9月13日)
JTBの本社ビル(東京・品川)
JTBが東京都内の本社ビルなど保有するビル2棟を売却していたことが分かった。売却額は全体で300億円程度とみられる。
マネックス証券専門役員チーフアナリスト 大槻奈那さん

大槻奈那さんの投稿】 開示情報を見ると、JTBの21/3月末時点の現預金は3690億円、4月には既存の未使用枠600億円に加え300億円のコミットメントラインも設定しています。更に今回の売却と8月の資本増強を合わせて600億円を手にしますし、それ以外にも各種支援があると考えると、今年度の損失や返済予定の短期債務は賄えそうに見えます。経営陣は、より慎重に万一に備えるとともに、コロナ前から始まっていたIT・DX化の流れに既存業務のスリム化で備えているように思います。先般のJALを含め、厳しい業種で資金調達が活発になりそうですが、コロナ後までを見据えた戦略を打ち出せるかどうかが存亡の鍵となるでしょう。

「企業の値上げ力」をThink!

世界の企業「値上げ力」で株価に差 インフレ耐性見極め(9月14日)
世界の株式市場で企業の「値上げ力」に注目した選別が進んでいる。原料費や人件費などのコストの上昇を、製品やサービスに転嫁し競合に比べ高い利益率を保てる企業への評価が高い。
一橋大学教授 楠木建さん

【楠木建さんの投稿 これはよい記事だと思いました。「低価格戦略」という戦略はあり得ません。「高コスト戦略」という言葉というか概念がないのと同じことです。収益性を目的とすれば、コストを下げるかWTP(Willingness To Pay:買い手が支払いたくなる水準)を上げるか、この2つしかありません。つまり、有効な選択肢は高価格戦略と低コスト戦略に限られます。この2つを比べたときに、一般的に言って価格(WTP)を上げるほうがコストを下げるよりもずっと難しい。それだけに、競争の中で価格を上げることができるかどうか、ここに経営の力量がはっきりと現れます。

「北朝鮮のミサイル発射」関連ニュースをThink!

北朝鮮が弾道ミサイル2発発射(9月15日)
韓国軍合同参謀本部は15日、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを2発発射したと発表した。北朝鮮中部の内陸部から発射したという。
神戸大学大学院国際協力研究科教授 木村幹さん

【木村幹さんの投稿 今回の巡航ミサイル実験から弾道ミサイル発射に至るまでの北朝鮮の行動の一つの特徴は、今までの所、これを自ら大々的に報じたりして、国際社会に積極的にアピールしていない事。北朝鮮による軍事実験は、周辺国を挑発している、という説明がすぐになされがちですが、挑発ならば自らアピールしないのは非合理的。純粋な軍事開発上の必要等、国内要因をも入れた分析が必要になりそうです。

「iPhone13」関連ニュースをThink!

iPhone価格、10年で3倍の19万円 日本人平均月収の6割(9月16日
14日(米国時間)に発表された米アップルの最新スマホ「iPhone13」で、注目されたのは端末の価格だ。国内向けは8万6800~19万4800円(税込み)と、2020年発売の「12」シリーズより最も安い機種で約4000円、最も高い機種で約2万9000円高い設定となった。
スマホジャーナリスト 石川温さん

【石川温さんの投稿 各キャリアからの端末割引が高額だった頃は、iPhoneの最新モデルがよく売れた。しかし、ここ最近、主力は「型落ち」にシフトしつつある。iPhone 13が発表されたことで、iPhone 12が1万円近く値下げされた。家電量販店でいま飛ぶように売れているのは安価なiPhone SEだ。海外でも最新iPhoneは客寄せに過ぎず、売れるのは型落ちモデルだったりする。アップルとしては新製品でブランド力をあげつつ、型落ちを値下げすることで、Androidと競争してきた。日本も総務省が割引規制をしたことで、今後さらに海外のような売れ方をしていくのではないか。

「自民党総裁選告示」関連ニュースをThink!

河野・岸田・高市・野田氏が届け出 自民党総裁選告示(9月17日)
自民党総裁選に立候補を届け出た(左から)河野氏、岸田氏、高市氏、野田氏(17日)
菅義偉首相の後継を決める自民党総裁選が17日午前、告示された。河野太郎規制改革相、岸田文雄氏、高市早苗氏、野田聖子幹事長代行の4氏が立候補した。
日本若者協議会代表理事 室橋祐貴さん

【室橋祐貴さんの投稿】 結果的にはジェンダーバランスもよく、保守リベラルのバランスも良い、おおよそ国民が誰かしらには共感できそうな立候補者になりました。このウイングの広さがやはり自民党の強みでしょう。野田氏が出たことによって、子どもや障がい者向けの施策も焦点が当てられそうです。今後ほとんど毎日公開討論会が開かれますが、選択的夫婦別姓のような特定の課題だけでなく、現役世代の実質賃金をどう上げていくか、大学の学費負担の大きさや研究資金の少なさなど、多岐にわたるトピックに焦点が当てられることを期待します。

「トヨタ社員、労災認定」をThink!

トヨタ社員自殺、高裁が労災認定 上司のパワハラなどで(9月16日)
2010年に自殺したトヨタ自動車の男性社員(当時40)の妻(50)が、労災を認めなかった豊田労働基準監督署の処分取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は16日、上司によるパワーハラスメントや、業務とうつ病発症の因果関係を認定、請求を棄却した一審判決を取り消し、労災を認めた。
ナカニシ自動車産業リサーチ代表アナリスト 中西孝樹さん

中西孝樹さんの投稿】人を育てるのがトヨタ組織の最大の特徴でした。育てた人が多ければ多いほど、まるでその上司の神輿を担ぐように出世して、派閥もないのに巨大組織のリーダーが生まれるようなメカニズムがあったのです。これはもう一昔前の話で、人を育てる文化に大きな変化はないですが、その先は今は少し変わったように感じます。車検不正、個人情報不適切運用、そして一連のパワハラ問題と、人を育てる文化の当社では少し前には考えもできなかった事件が連鎖するのは何故か、巨大企業の一人一人が謙虚に自らを見つめなおす時期なのではないでしょうか。


Think!

平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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