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池上彰さんらThink!エキスパート直伝 20-30代のためのニュース活用術

「20-30代がニュースをキャリアに活用するには?」。ニュースを読む習慣を身に付けたり、記事をもとに思考力を高めたりする方法について、Think!エキスパートの池上彰さん、大槻奈那さん、蛯原健さんの3人にポイントを聞きました。

(この記事は2021年8月27日開催のオンラインイベント「Think!エキスパートと考える 天職を引き寄せるニュース活用術」の内容を再構成しています)

ニュースを読む習慣を身に付けるには?

――ビジネスパーソンの悩みのひとつに「日々の新聞やニュースを読む時間がない」との声をよく耳にします。

池上さん「新聞を読む時間がないのではありません。読む時間は作るものですよね。紙の新聞を持っていて、朝、読む時間がなければ新聞を小脇に挟んで出勤すればいいわけです」

「電車のなかでスマートフォンを見ないで新聞を折り畳みながら目を通す。あるいは、お昼。コロナ対策で『黙食』といわれている今、記事を読む絶好の機会です。注文してラーメンが運ばれてくるまでに記事を読みますね」

――ニュースを読んでいても「内容がよく理解できない」という場合はどうしたらよいのでしょうか。

大槻さん「私の場合、新人のころは、一つ一つの言葉の定義はなんとなくわかっていても、それが有機的にうまくつながらず、面白くありませんでした。国内総生産(GDP)の定義はわかる、金利の話もわかる。けれど、定義と金融政策がうまくつながらない」

「しかし、長いこと難度に耐え、読むうちにどことなくつながるようになりました。『GDPに成長が見込まれ、株価もあがるだろう。そうなれば金融政策はどうなるのか』といった予想ができるようになりました。そうすると面白くなります」

自分なりの仮説と、実際に起きた現象を振り返ると、ゲーム感覚でニュースの面白みが増します。さらにその仮説を人に伝えてみましょう。たとえ間違えても、それが刺激になりますね」

――「漠然とニュースを読んでしまい頭に入らない」という意見もあるようですが、解決策はあるのでしょうか。

蛯原さん「なんでもいいので、自分の興味があるテーマを作ってはどうでしょうか。GAFAのことでも、データに関することでもなんでもいい。そのかわり、そのテーマに関しては、大半の人よりも勉強している、というものを選んで深掘りしましょう」

思考力を高めるニュース活用術とは?

――ニュースとニュースを結びつけて、大局を見る目を養うためにはどうすればよいのでしょうか。

蛯原さん「大局を見るには事実の点と点をつなぐ作業が大切で、私は視点の抽象度をあげたりさげたりする作業を意識しています。思い切り抽象度を上げて、時代に通底するようなことをふまえる。抽象度を下げてファクトを拾う。そうすると、共通して通底することが見えてくる。その行き来を繰り返します。意識すると慣れます」

「この作業にはリベラルアーツが重要な役割を持ちます。どうしても実用書やビジネス書を手に取ってしまいがちですが、歴史で証明されたリベラルアーツに触れると抽象度の高い思考力が身につきます。」

―― ニュースを読むなかで未来を予測する力を鍛えることもできるのでしょうか。

蛯原さん「私は未来を予測するのは簡単だと思っています。ほとんどの方は同じ未来を見ている。一番難しいのは、時間軸です。それがわからない。将来こうなる、という未来は、10人に9人は同じことをいいます。ただ、それが漠然と再来年くるのか、20年後くるのか、と思う人たちに分かれます」

「私はベンチャーキャピタルという仕事をしています。大成功するか大損をこくかは、この『時間軸をいつと見るか』にかかっているところもあります。だから、より時間軸を意識します。皆さんも、この時間軸を意識することを心がけてほしいです」

――インプットを積み重ねるなかで、自分の意見を形作る頭を養うためにはどのような方法がありますか。

大槻さん「ある会社で、ニュースについていろいろな人が意見交換し、互いに投稿を見られるようなプラットフォームを作っているそうです。とてもいいなと思いました。我々も『Think!』を通じて投稿を皆さんに見ていただいていますが、皆さんもお友達同士でサークルを作り、『クローズドThink!』をやってみるのはいかがでしょうか」

「『明日、そして1年後どうなるか』『金融政策はどうなるのか』など、予測することは慣れないと思いますが仲間同士でアウトプットすると、徐々に慣れてきます。他の人から自分の意見へのインプットももらえます。ただし、『互いの批判にならない』というルールを忘れず設けましょう」

――インプットした情報を分かりやすく相手に伝えたいのですが、どのように実践されていますか。

池上さん「小学生の自分にツッコミを入れてもらうのがポイントです。『週刊こどもニュース』を担当していたころ、私のなかに小学生の池上くんが住み着きました。何か説明しようとすると、もう一人の池上少年が、そんな難しい言葉でいわれてもわかんないよ、とツッコミを入れてきます」

「例えば『アメリカがアフガニスタンから撤退することで、アメリカの力が弱まるのではないか、という懸念が広がっている』とよく書きますよね。けれど、『懸念』なんて普段使わない言葉です。そこで『みんな、心配しているんだ』と言い直す。そんなイメージです」

オンラインコミュニティ「iThink!」始動

「ニュースを読むことが習慣化しない」「漠然と読んで内容が頭に入らない」――。日経電子版のニュースをより楽しんでもらうべく、20-30代有料会員読者向けインプット&アウトプットコミュニティ「iThink!」が4月から始まります。

iThink 20-30代有料会員限定オンラインコミュニティ

日経電子版でインプット、そして意見や考えをアウトプットする。同じ目標を持つ同世代の読者と共に、ニュース閲読の習慣化に挑戦してみませんか?

詳細・申し込みはこちら(https://www.nikkei.com/promotion/onboarding/ithink/)から。皆様のご応募お待ちしております。

※iThink!は日経電子版の有料会員に加入した20-30代読者向けのコミュニティです。あらかじめご了承ください。

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