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池上彰さんらと振り返る2021年 Think!まとめ読み

1~3月の注目ニュース

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。今回から4回にわたり、電子版記事とエキスパートの解説を通じて2021年を振り返ります。第1回は1~3月です。読者の関心を集めた記事から、ジャーナリストで東京工業大学特命教授の池上彰さんの投稿をはじめ、「Think!」担当者がえりすぐったエキスパートの解説を紹介します。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

1月の注目ニュースをThink!

米、分断克服へ経済再生 バイデン大統領就任(1月21日)
民主党のジョー・バイデン氏(78)は20日、第46代米大統領に就任した。

【中満泉さんの投稿】国連事務総長は、バイデン新大統領のパリ合意復帰そしてWHO復帰を心から歓迎し、世界が抱える危機の克服のために緊密に協力していくことを表明。バイデン新政権の政策転換により、世界の排出国の3分の2がカーボンニュートラルへのコミットメントに参加。コロナワクチンのCOVAXへの参加と支援により、ワクチンのより公平な分配そしてパンデミックの収束にも大きな弾みとなります。

グローバルな課題の解決策を探るには、アメリカの積極的参加と指導的な役割が欠かせません。そして国際協力によって対応が早まることはアメリカの国益でもあるのです。軍縮・安全保障の分野でも対話と交渉が進むことを期待しています。

青山商事、400店で売り場最大半減 在宅でスーツ離れ(1月19日)
新型コロナ感染拡大を受けたテレワーク普及でスーツ離れが進んでいる。紳士服最大手の青山商事は専門店の6割にあたる400店で売り場面積を最大5割減らす。

【高田明さんの投稿】通販事業の前は写真屋さんでしたが、この業界も技術のすさまじい進化で大きく将来の展望を翻弄されました。アナログからデジタルへの移行でフィルムはなくなりカメラもビデオも180度開発課題が変化して多くの優良企業が辛酸をなめ廃業に追い込まれる姿を目の当たりにしてきました。

ダーウィンの進化論に沿って変化対応型企業として生き残り、更に成長している企業は富士フイルムさんやキヤノンさんが頭に浮かびます。

新商品の開発は地球環境の変化や国際的な政治バランスの変化等に大きく影響を受けながら生み出されていく。コロナの終息後には紳士服の業界も同じカテゴリーで新たなチャンスが生まれることも絶対にあります。頑張って下さい!

2月の注目ニュースをThink!

ミャンマーでクーデター 国軍が全権掌握(2月1日)
ミャンマー国軍は1日、クーデターを実行した。国軍系テレビは1年間の「非常事態宣言」が発令されたと伝えた。

【慎泰俊さんの投稿】現在、現地では電話通信回線が切断されており、ケーブルのインターネット回線のみがつながっています。多くの人は3G/4Gでインターネットをしているので、連絡が取れない人が大多数です。なお、数日前に軍部と政権の間で協議があり、そこでの交渉が決裂したことが本件につながったのではないかと話されています。

ミャンマーで市場開放がされたのが軍部出身者のテイン・セイン政権でのことだったことを考えると、現地でビジネスをしている企業に深刻な影響がすぐに生じる可能性は低いのではないかと感じています。ただし、一部の国から経済制裁がなされ、結果としてミャンマーと東アジア諸国との繋がりがより強固になる可能性はあります。

森会長発言は「不適切」 五輪組織委がコメント(2月8日)
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は7日、森喜朗会長の女性蔑視とも受け取れる発言を受け、男女共同参画に関するコメントを公式ウェブサイトで発表した。

【中室牧子さんの投稿】森氏が発言したという「女性は競争心が強い」というのは昨今の研究成果と反する。男女の競争心格差の存在を最初に示したのは、スタンフォード大学のニーデルレ教授らである [*Niederle and Vesterlund, 2007] 。

男性は競争心が強く、逆に女性は弱いという。日本でも追試が行われ、同志社大学の奥平寛子准教授らが高校生を対象にして、私も政策研究大学院大学の矢ヶ崎将之講師とともに、関東のある自治体の全6公立中学校の中学2年生811名を対象にしたラボ実験によって、やはり男子よりも女子の方が競争心が弱いことを確認している。競争心の格差が昇進や受験格差に影響しているという研究もある。

3月の注目ニュースをThink!

家計の金融資産1948兆円 巣ごもり・株高で膨らむ(3月17日)
日銀が17日発表した2020年10~12月期の資金循環統計(速報)によると、12月末時点の家計の金融資産は前年同月比2.9%増の1948兆円と、2四半期連続で過去最高を更新した。

【池上彰さんの投稿】政府による10万円の一律給付を銀行の預金口座から引き出す必要のなかった世帯と、緊急に引き出して生活費に充てた世帯があります。口座に残しておけば資産は増えました。10万円を株式投資に使えば、一段と資産は増えたでしょう。

コロナ禍対策が格差の拡大につながる。実に皮肉な現実があります。一般論として国民の金融資産が増えたことは喜ばしいことに見えますが、「自助・共助」だけでは助けられない世帯への政府の目配りが一層求められます。

大動脈スエズ運河遮断、供給網リスク一段と 大型船座礁(3月25日)
世界最大級のコンテナ船が23日、海運の大動脈スエズ運河を塞いだ。

【小山堅さんの投稿】今回の事故は、世界経済が重要物資の円滑な国際輸送に如何に大きく依存しているか、万一の途絶や支障が如何に経済安全保障上の大きな問題になりうるか、を改めて示唆するものとなった。スエズ運河は最も重要な国際航路の一つであり、いわゆるチョークポイントである。

しかし、これ以外にも、ホルムズ海峡、マラッカ海峡、パナマ運河等は、国際貿易・エネルギー貿易上の重要なチョークポイントである。チョークポイントも含めたシーレーンの安定確保は今後とも世界経済の安定を左右する要因となる。シーレーン安定確保は国際ガバナンスの重要課題の一つで、従来、米国がそれを守護してきたが、今後の米国の役割やその変化にも注目すべきである。

【2021年を振り返る Think!まとめ読み】
・平井一夫さんらと振り返る 4~6月の注目ニュース(12月27日公開)
・中林美恵子さんらと振り返る 7~9月の注目ニュース(12月28日公開
・山口周さんらと振り返る 10~12月の注目ニュース(12月29日公開予定)

Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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