篠田真貴子さんらと振り返る2022年 Think!まとめ読み
4~6月の注目ニュース

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。電子版記事とエキスパートの解説を通じて2022年を振り返るシリーズ、第2回は4~6月です。読者の関心を集めた記事から、エール取締役の篠田真貴子さんの投稿をはじめ、「Think!」担当者がえりすぐったエキスパートの解説を紹介します。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)
4月の注目ニュースをThink!


【篠田真貴子さんの投稿】デジタル庁に集まった人々がチームになっていく健全なプロセスの最中にいると解釈できる。チームの発達段階を整理したタックマンモデルでは「フォーミング(形成期)」「ストーミング(混乱期)」「ノーミング(規範期)」「トランスフォーミング(変態期)」「アジャーニング(散会期)」の5ステージがあると提唱している。現状はまさにストーミング。本音が出てきて混乱が起きるが、本音が出やすくなっているとも言える。ここで組織の中で対話の質を高めること、言い換えると互いの価値観が異なることを前提に「聴き合う」仕組み、スキル、マインドを整えることが、次のステージに飛躍する鍵になる。成功を信じて見守っていきたい。
5月の注目ニュースをThink!


【平井一夫さんの投稿】日本の低出生率、人口減少は数十年前から指摘されており、国の将来に直結する重要な課題の割には政治が全く直視してこなかった。根本的な解決のためには出生率を上げたり、海外からの移住を積極的に推奨したりすることが必要。しかし残念ながら出生率を上げた効果が表れるのは数十年後、依然として海外からの移住にも消極的。こうした状況の中で日本人の女性活用もままならない、数少ない子供も7人に1人が相対的貧困にくるしむ。これではマスク氏の指摘通りになってしまう。この国の将来は誰が担うのか、この国のリーダーに問いたい。
6月の注目ニュースをThink!


【小泉悠さんの投稿】プーチンの壮大なオウンゴールという感じがします。こんなことをしなければ北欧は中立のままで、米国は欧州よりもインド太平洋での抑止を重視したままだったでしょう。ただ、プーチンは今回のスウェーデン・フィンランドのNATO加盟について、あまり厳しいことを言っていません。1997年のロシア=NATO基本文書に基づいて大規模な部隊の前方配備をしなければいい、という姿勢のようで、だとすると「ウクライナにアメリカのミサイルが配備されるとモスクワに5-6分で届いてしまうのだ」という開戦前にプーチンが掲げた「大義」が改めて胡散臭く感じられてきます。
【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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