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米が資金枯渇回避へ前進 中林美恵子さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。12月3~10日のニュースでは、早稲田大学教授の中林美恵子さんが「米の債務上限引き上げ」を読み解きました。このほか「北京五輪の外交ボイコット」「10万円相当給付」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「米の債務上限引き上げ」関連ニュースをThink!

米、債務上限引き上げへ 資金枯渇回避へ前進(12月10日)
米議会は9日、連邦政府債務の法定上限を引き上げるための手続きを終えた。野党・共和党が反対するなか、与党・民主党が単独で上限引き上げ法案を可決する見通しだ。

中林美恵子さんの投稿】民主党が単独で(つまり単純過半数で)採決すべきだというのが共和党の主張でした。民主党は、初めから単独で決めることができました。しかし、財政規律に反する投票を単独で行うとイメージが悪く次の選挙で不利になるため、共和党を同罪にしたかったのです。この度の措置は、とうとう民主党が折れたといえます。そもそも、民主党が政府にデフォルトを起こさせる筈もありませんから、市場では既に民主党が折れることを折り込んでいました。デフォルトは(少なくとも年内には)ないという点で、多くが想像したとおりの結果になったといえるでしょう。

「北京五輪の外交ボイコット」関連ニュースをThink!

米政権、北京五輪の外交ボイコット発表 選手は派遣へ(12月7日)
米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は6日の記者会見で、2022年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を発表した。米政府が懸念する新疆ウイグル自治区などでの中国の人権弾圧に抗議する狙いがある。

ロッシェル・カップさんの投稿】これは良い判断だと思います。人権問題について中国へ強いメッセージを送りながら、選手たちへの悪影響は少なくする。私の大学時代のスポーツコーチが、80年五輪に対する米国の全面的ボイコットにより参加が叶わずガッカリしたと話していたのを今も覚えています。

この件に関する英文報道によれば、ホワイトハウスはウイグル民族をはじめ中国で起きている人権侵害が続くため、「business as usual(通常の対応)」が出来ないと強調しています。他の政府も一体となって中国に対して同じ態度を取っていただきたい。

「10万円相当給付」関連ニュースをThink!

首相「全額現金も可能」 18歳以下10万円相当給付(12月8日)
岸田文雄首相は8日、衆院本会議の代表質問で18歳以下への10万円相当の給付に関し全額現金を容認する方針を示した。「(5万円相当は)クーポンを原則検討いただきたいが、自治体の実情に応じて現金でも可能とする」と述べた。

小島武仁さんの投稿】クーポンVS現金、事務コストに加えて、「目的外使用」についても注意が必要な話と思います。あくまでスタンダードな経済学からということで話しますが、現金以外の方法で使用方法を限るのは多くの場合悪手とされます。理由は、用途を狭めると受け取り側が最適なものを選ぶ邪魔になるからです。

もちろんもっと複雑な問題がないとも限らず、例えば今回だと受け取り手が特に「悪い」使い方をすると言う心配があれば用途を限るのもやむなし、になりますが、そういう「パターナリスティック」な介入をするならエビデンスが欲しいところです。もし今すぐにエビデンスがなくても、事後検証はぜひやるべきと思います。

「東証の新市場への移行申請」関連ニュースをThink!

東証1部146社「プライム」選ばず 日本オラクルや白洋舎(12月9日)
東京証券取引所の新市場への移行申請を年末に控え、最上位市場である「プライム」以外を選ぶ1部企業が相次いでいる。日本オラクルや大庄、白洋舎など146社が11月末時点で、プライムに次ぐ市場である「スタンダード」を選んだ。

白井さゆりさんの投稿】従来日本企業は東証1部上場が知名度確保と優秀な人材の取り込みに不可欠と考えてきた。しかし世界の流れをとらえて2015年コーポレートガバナンスコード導入以降、企業の中長期的な稼ぐ力の向上と環境社会面での持続性強化の要請が強まっており、今後も段階的に強化されていくはずだ。世界のESG投資家や排出量正味ゼロを掲げる金融機関が投資先企業に行動変容を求める活動が活発化する中、プライム市場の上場企業に厳しい目が向けられており経営体制の抜本的改革を急ぐ必要がある。だが未上場企業にも焦点が移りつつあり、スタンダード市場に移行しても世界のトレンドを把握した前向きな経営改革を断行する意思が経営陣に求められている。

「オミクロン型へのワクチン効果」関連ニュースをThink!

ファイザー、3回目接種「オミクロン型にも効果」(12月8日)
米ファイザーは8日、同社製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が、感染力の高い変異型「オミクロン型」に対しても高い予防効果をもつとの初期調査の結果を発表した。

【蛯原健さんの投稿】日本ではやや反応が薄いように感じられるものの諸外国ではかなり大きく報じられており、米国株式もこれに大きく反応し上げている。

ブースター接種の進捗や身近さもあるのか、例えばシンガポールでは国民の3割が接種を終えており私自身もモデルナではあるものの終えているし、米国でも再びワクチン在庫が地域によっては逼迫しつつあると聞く。

日本はとりあえずの緊急対策と称して世界比較で極端に厳しい水際対策を敷いたものの、失う代償も鑑み、このように科学的材料が出つつあるなか緩和についても躊躇わず決めるべきと考える。

「データサイエンス教育」関連ニュースをThink!

大学の7割、データ授業必修 応用力と指導者不足が課題(12月8日)
データを活用し課題解決を目指す「データサイエンス」について、全大学生に知識を身につけさせる動きが始まっている。日本経済新聞の調査に、全国の有力大の約7割が初級レベルの授業を必修化すると答えた。

【鈴木亘さんの投稿】私は経済学を大学で教えているという商売柄、ビッグデータの統計解析には慣れているが、「データサイエンス」を教える気にはならない。なぜならば、大量の学生を、時には個別に対面指導しなければならない労力に対して、給料は全く増えず、コスパが悪いからだ。自分の専門科目を教え続ける方が楽である。データサイエンスの非常勤講師は引っ張りだこだが、硬直化した大学組織では、非常勤講師の単価(賃金)は極めて安く設定されており、そんなバイトもやる気にならない。要は、「経済的インセンティブ」の問題なのである。労力や需要に見合う単価がきちんと設定されれば、データサイエンスを教えようという研究者は潜在的にたくさんいるはずだ。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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