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米テスラ、ビットコイン含み益が本業を上回る日

23日の米ウォール街はビットコイン相場の乱高下の話題で持ちきりだった。1ビットコイン=5万ドルという高値水準で、売りが先行し約18%急落して割り込んだ大台をその後、回復した。

急落のきっかけは米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏による「(ビットコインは)高い」とのツイートだった。そもそも、同氏がビットコインは同社の資産運用の対象と明らかにしたのが、今回の急騰劇につながった。マスク氏のつぶやきがビットコイン価格を振り回している感がある。

イエレン米財務長官も22日にビットコイン相場の過熱に懸念を示した。

「極めて投機的。激しい価格変動により投資家が被る損失に懸念がある。ビットコイン取引に要するエネルギー消費も甚大で、非合法取引の決済に使われる恐れもある」と強い口調で語った。

ビットコイン価格が5万ドル台後半になれば、テスラの含み益は本業と拮抗するようになるのではないかとの観測も出始めた。ビットコイン相場が同社の株価に影響を与えかねない。テスラ株は23日に取引開始直後10%以上の急落となり、その後下落幅を2%まで戻すという乱高下を演じた。

テスラ株は、米国の株価指数が最高値を更新するけん引役として注目されてきただけに、その変調は投資家心理の高揚感に水を差す。

23日の米国株は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会公聴会における緩和縮小懸念を一蹴するような発言に支えられた。しかし、このところの長期金利の急上昇に対しては、さすがの「パウエルマジック」も神通力に欠ける。米10年物国債は飛び抜けて流動性が大きいゆえ、FRBのイールド・カーブ・コントロールは効かない。

米長期金利の指標となる10年債利回りは、心理的節目の1・5%が視野に入りつつある。この「臨界点」を超えると、パウエル氏が23日に「健全な経済回復を映している」との認識を示した「良い金利上昇」から一転、経済過熱を懸念した「悪い金利上昇」に変異する可能性がある。

ナスダックの異変は、その予告ともみえる。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com
  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 1,045円(税込み)

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