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Tロウのバリュー型投信、成長力ある割安株に投資

話題の投信

ティー・ロウ・プライス・ジャパンが9月7日に新規設定した「ティー・ロウ・プライス 米国割安優良株式ファンド」は、2本合計の純資産総額(残高)が半月足らずで500億円を超えた。グロース(成長)株運用の印象が強い同社が日本でバリュー(割安)型の投資信託を手掛けるのは初めて。野村証券が販売する。

割安を解消できる企業に投資

米ティー・ロウ・プライスの運用資産は、2021年6月末時点で約180兆円にのぼる。このうち約24兆円がバリュー株運用だ。日本で新しく運用を始めたファンドは、為替ヘッジありの「Aコース」と為替ヘッジなしの「Bコース」の2本。同社が米国で26年超の運用実績をほこるバリュー型の旗艦ファンドと同じ戦略をとる。

主な投資対象は、もともと成長力のある優良企業にもかかわらず、何らかの理由で株価が割安となっている米国企業の株式。株価が本来想定される価値より安くなったタイミングで買い、適正な株価水準に戻れば機動的に売却して利益を確保するという運用スタイルだ。

どんなに強いブランド力を持ち、堅調な収益を上げてきた企業であっても、悪材料への過剰反応や成長性の過小評価など様々な逆風にさらされることがある。そこから本質的な価値の回復にかかる期間や原動力の強さを見極めるのがバリュー株投資のポイント。ファンドの運用を担当する米ティー・ロウ・プライスのポートフォリオ・マネジャー、マーク・フィン氏は「割安であっても、抱える問題の解決策が見えない企業には投資しない」と話す。

グロース株との組み合わせも有効

世界の株式市場はここ数年、グロース株優位が続いてきた。しかし、昨年後半あたりから潮目が変わり、バリュー株への期待が強まりつつある。すでに先行して株価が回復を果たした銘柄もあるが、ここから米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的金融緩和の縮小)が始まり、景気刺激策の削減が進む過程で「割安で質のいい銘柄にとって好環境が続く」とフィン氏は予想している。

好成績を背景に日本で人気を集めてきた海外のグロース株ファンドに関しては、個人投資家のリスクの取り過ぎや運用資産の偏重を懸念する声もある。ティー・ロウ・プライス・ジャパンの投資信託ビジネス統括責任者の土居邦彰氏は、グロース株を補完しうるバリュー株の役割に触れ、「どちらか選ぶのではなく、両方を組み合わせることでリスク分散とポートフォリオの強化が実現できる」と指摘する。

同じ運用方針の米国籍ファンドの運用成績は堅調で、1994年10月末時点から2021年6月末までの運用成果を見ると、ベンチマークとするラッセル1000バリュー株指数(税引き前配当込み、米ドルベース)を大きく上回っている(図1)。参考にした米国籍ファンドの6月末時点の組み入れ上位銘柄には、アルファベットやマイクロソフトに加え、モルガン・スタンレーやゼネラル・エレクトリック(GE)などが並ぶ(図2)。

(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)

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