ウクライナ有事、コモディティー相場が急騰
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ロシアによるウクライナ侵攻を受けて株式相場が調整色を強めている一方、コモディティー相場は急騰している。3月に入ると資源大国であるロシアからの供給不安などでニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)原油先物相場は一時、1バレル130ドル台と14年ぶりの高値まで急伸した。また、地政学リスクの高まりから安全資産とされる金にも資金が流入し、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場も1年半ぶりに1トロイオンスあたり2000ドル超の高値を付けた。原油や金といったコモディティーを主な投資対象とするファンド(ラップ・SMA専用、ETFを除く)の過去6カ月の騰落率をランキングした。

首位は「UBS原油先物ファンド」の37.86%。世界の代表的商品市況を表すUBSブルームバーグCMCI指数のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油指数に価格が連動する上場投資信託(ETF)に投資する。コロナ禍からの景気回復期待で原油価格の上昇が続いていたところに今般の地政学リスクが重なり、パフォーマンスを押し上げた。
2位以下のファンドもコモディティー相場全般の値上がりを受けて、20%以上の高いリターンを出した。
日本では設定本数が少なく、あまり普及していないコモディティー投信であるが、今回の地政学リスクによる株式下落局面では、過去の経験則に基づいて金を投資対象としたファンドをポートフォリオに組み入れておけばリスクヘッジに有用だった。
(QUICK資産運用研究所 小山乃正)
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