20年末の投信残高、「イノベーティブ」8000億円超に
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)で、2020年12月末時点の純資産総額(残高)の1~10位までの顔ぶれは前月末時点と変わらなかった。

上位20本の中で残高を最も増やしたのは、3位の「グローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>」。前月末から1198億円積み増し、一気に8000億円を超えた。12月の運用成績(分配金再投資ベース)がプラス12.4%と好調だったことが寄与した。
月間の残高増加額が次に多かったのは、2位の「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」。前月末比1029億円増の8825億円だった。12月月間で、800億円超(QUICK推計値)の資金が流入した。
新しく20位圏内にランクインしたのは、19位の「投資のソムリエ」。国内外の公社債、株式、不動産投資信託(REIT)など8資産に投資する。相場環境や資産価格の変動要因を判定し、資産配分比率を機動的に変更することで、基準価格の変動リスクを年率4%ほどに抑えた運用を目指す。残高は前月末比339億円増加の3856億円。2019年5月以降、月間で継続して資金が流入しており、12月は318億円(QUICK推計値)の流入超だった。
20位圏外となったのは、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」。かつて5兆円超の残高を誇った毎月分配型の代表的ファンドの残高は3745億円となった。前月から23億円減と微減だったものの、他のファンドが残高を伸ばし圏外になった。
(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)