シスコ日本法人新社長「デジタルで開かれた未来創る」

米通信機器大手シスコシステムズ日本法人は、中川いち朗新社長の就任記者会見を24日に開いた。中川氏は「時代が変わろうとするこのタイミングは日本にとって脅威ではなく、新しい世界をつくるチャンスだと考えている。新型コロナウイルス禍を好機と見て、デジタルですべての人に開かれた未来を創ることを目指す」と意気込みを語った。
中川氏は日本IBMや日本ヒューレット・パッカードを経て、2014年にエンタープライズ事業統括専務執行役員としてシスコ日本法人に入社。18年からは情報通信産業事業統括副社長を務め、21年1月25日付で社長に就任した。
シスコ日本法人の前社長でシスコアジアパシフィックジャパンアンドチャイナプレジデントのデイヴ・ウェスト氏は、中川氏とは1年以上前から今回の社長人事の計画を進めてきた。「彼(中川氏)はシスコ全社にとって重要な市場である日本事業の推進役として理想的なリーダーだ。私の後任として日本のリーダー役を託すことができて光栄に思っている」(ウェスト氏)とした。
シスコはネットワーク機器などのハードウエアを中心とする従来型のビジネスから、リカーリング(継続課金)やカスタマーエクスペリエンス(顧客体験、CX)などのサービスへと事業構造の変革を進めている。中川氏は「(高速通信規格)5Gのビジネスにおいても、インフラの展開に加えて企業のユースケースの開発にも取り組んでいる。これらのケイパビリティー(能力)を拡大し、より広いパートナーとの協業を進めることで、中長期にわたる顧客との信頼関係を築いていく」と強調した。
(日経クロステック/日経コンピュータ 中島募)
[日経クロステック 2021年2月25日掲載]
関連リンク