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CO2回収「競技会」に1億ドル、イーロン・マスク氏

「XPRIZE Carbon Removal」は大気中や海中などからの二酸化炭素の回収をテーマに競う(出所:Xプライズ財団)
日経クロステック

米非営利団体のXプライズ財団は、大気中や海中などから二酸化炭素(CO2)を回収するネガティブエミッション(負の排出)技術をテーマにしたコンペティション(競技会)「XPRIZE Carbon Removal」を開催すると、8日(現地時間)に明らかにした。起業家のイーロン・マスク氏と、同氏が設立したマスク財団が資金を出す。賞金総額は1億ドル(約105億円)である。今後4年間かけて参加団体が競い合うことで、ネガティブエミッション技術の向上を図る。

Xプライズ財団のコンペティションでは、特定のテーマに関してゴール(目標)を設定した上で参加者を公募し、目標達成者や優秀な技術を実現した参加者に賞金を支払う。今回のXPRIZE Carbon Removalでは、ギガトン級(ギガは10億)のCO2を経済的に回収して長期間貯留できる可能性を持つ技術やソリューションを提示することが勝ち抜く条件とされている。2050年までに年間10ギガ(100億)トンのCO2を回収し、ほぼ永久に貯留できる技術の実現につなげることが狙いだ。CO2の除去量や貯留能力、エネルギー効率など、複数の基準で審査される。

コンペティションを勝ち抜く条件として、現時点で以下の4つを挙げる。第1に、1日に少なくとも1トンのCO2を回収できる試作品(プロトタイプ)を実現すること。第2に、開発した技術やソリューションがギガトン水準まで経済的に拡張(スケールアップ)できることを審査員に示すこと。第3に、こうした環境へのメリットを達成しつつ、低い回収コストを目指すこと。第4に、回収したCO2を少なくとも100年間、ロックアップ(貯留)しておくことができることである。

今回のコンペティションは4年間かけて実施する。アースデイ(地球の日)の21年4月22日に詳細なガイドラインを発表し、同日にチーム登録を開始する。その後、18カ月かけて審査し、15団体を選ぶ。それら15団体に対して、それぞれ100万ドル(約1億500万円)を支払い、デモ用の試作品やチーム運営費などに充ててもらう。同じスケジュールで、優秀な学生チーム25団体を選び、奨学金としてそれぞれ20万ドル(約2100万円)、計500万ドル(約5億2500万円)を提供する。すなわち、この段階で総額2000万ドル(約21億円)を支払う。

1億ドル(約105億円)からこの額を差し引いた8000万ドル(約84億円)を上位3チームに支払う。首位に5000万ドル(約52億5000万円)、2位に2000万ドル(約21億円)、3位に1000万ドル(約10億5000万円)である。コンペティションは25年のアースデイまでの予定である。

(日経BPシリコンバレー支局 根津禎)

[日経クロステック 2021年2月9日掲載]

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