Google、なぜターゲティング広告を制限?

ここが気になる
ネット広告は一人ひとりの閲覧履歴を使って配信対象をターゲティングする手法で成長してきました。閲覧履歴を追跡するために使われているのが「サードパーティークッキー」というものです。サイトの閲覧履歴を指す「クッキー」のうち、消費者が閲覧しているサイトの運営企業とは異なる第三者(広告会社など)が提供するものをサードパーティークッキーと呼びます。
サードパーティークッキーを使ったターゲティング技術を悪用すれば、病歴や趣味など知られたくない情報までたどられてしまうリスクがあります。このためEU(欧州連合)をはじめ世界でクッキー規制の動きが出ています。グーグルはサードパーティークッキーへの対応を2022年までに止めることを決めていますが、今回「個人を追跡する代替技術を開発しない」と踏み込んで表明した形です。
グーグルは利用者を直接追跡する代わりに、AI(人工知能)によって個人を特定しない広告技術の開発を進めています。一方ターゲティング広告をめぐるグーグルの一連の対応について、ネット広告業界からは「独占的地位の乱用だ」と批判も出ています。プライバシー保護に対応しようとするとIT大手に依存せざるを得ないという構造からは新たな課題も見えてきます。
- 【クッキーに頼らないマーケティング事例】
2015年入社。保育・女性活躍の取材を経て、コンテンツマーケティングを担当。3カ月前にほしいと思ったスマートウオッチが今もターゲティング広告で表示されています。

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