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日本語小説テーマに作家と翻訳家の座談会

柴崎友香㊨の小説「春の庭」について活発な議論が交わされた。司会はスラブ文学者の沼野充義㊧(写真提供:国際交流基金)

国際交流基金は、文化や言葉の違いが創作にもたらす影響などについて日本語小説の作者と翻訳家が語り合う座談会を始めた。初回に取り上げたのは芥川賞を受賞した柴崎友香著「春の庭」。柴崎のほか、同作をオランダ語、フランス語、英語、中国語に訳した翻訳家4人がリモートで参加した。

写真集に出てくる家に思い入れを持つ人々の日常を描いた「春の庭」。1月末に開いた座談会は柴崎による冒頭数㌻の朗読から始まった。主人公の太郎が同じアパートに住む女性を眺めている様子を、建物の詳細な説明とともに描くくだり。柴崎に続いて、翻訳家がそれぞれの言語で読み上げた。

担当した同基金企画調整チーム長の大内桃子は「同じ内容でも言語によって響きは違う。各国の翻訳家がいるからこそできる内容にしたかった」と語る。柴崎は「冒頭部分はシンプルでフラットな書き方をしたが、それがどの言語に訳されても残っていると感じた」と感想を述べた。

多和田葉子著「献灯使」を取り上げた2月の第2回では、言語の壁を翻訳で乗り越える苦労について話が及んだ。作中の日本では外来語が消え、人々は「ジョギング」を「駆け落ち」と呼んでいる。こうした言葉遊びにも似た表現について、ノルウェー語に翻訳したタラ・石塚・ハッセルは「(場面の)雰囲気などを把握して『駆ければ小馬の心臓のように元気になる』と訳した」と話す。「駆」のうまへんから馬に関係する動詞を選んだという。

3月25日に青山七恵著「ひとり日和」、その後は岡田利規著「わたしたちに許された特別な時間の終わり」、村田沙耶香著「コンビニ人間」を予定している。

(篠原皐佑)

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