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中村吉右衛門さん死去 77歳、人間国宝の歌舞伎俳優

(更新)

歌舞伎の舞台に70年以上立ち続けた名優で、テレビ時代劇でも人気を博した歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門(なかむら・きちえもん、本名=波野辰次郎=なみの・たつじろう)さんが11月28日午後6時43分、心不全のため東京都内の病院で死去した。77歳だった。告別式は近親者で行う。

1944年、東京都生まれ。初代松本白鸚の次男で、母方の祖父である初代吉右衛門の養子となった。4歳で初舞台、66年に二代目吉右衛門を襲名し「時代物」と呼ばれる歴史劇を中心に立役(男の役)として活躍した。89年からテレビ時代劇「鬼平犯科帳」に出演した。兄は二代目松本白鸚。

歌舞伎での当たり役は俊寛、熊谷直実、一条大蔵長成、大星由良之助、武蔵坊弁慶など。「松貫四」の筆名で脚本も書き、名作の復活など研究にも熱心だった。近年は娘婿にあたる尾上菊之助やおいの松本幸四郎ら、後進育成にも力を入れていた。

2020年、新型コロナウイルス感染拡大で歌舞伎の舞台に立てなくなると、能舞台で新作「須磨浦」を無観客上演してインターネットで配信、歌舞伎と能の間にある新しい舞台表現として話題になった。劇場公演再開後も舞台に立ち、21年3月の歌舞伎座公演では「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」で石川五右衛門を熱演、千秋楽の前日まで舞台に立っていた。

02年に日本芸術院会員。11年に人間国宝に認定された。17年文化功労者。18年7月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。

歌舞伎俳優の尾上菊五郎さんの話 長い役者人生を全身全霊で頑張られました。再び、一緒に舞台に立てることを願っていましたので残念でなりません。これまで幾度も同じ舞台に立ちましたが、(長男の)菊之助の結婚を機に、縁あって親戚となり、孫の丑之助も生まれ、初お目見えや初舞台では共に孫の成長を喜び合いました。平成最後の舞台では「鈴ケ森」で私が白井権八、播磨屋さん(中村吉右衛門さん)が幡随院長兵衛をつとめたのも深く印象に残っています。本当にお疲れさまでした。〔共同〕
兄の歌舞伎俳優、松本白鸚さんの話 別れは何時の刻も悲しいものです。今、とても悲しいです。たった1人の弟ですから。幼い頃、波野の家に養子となり、祖父(初代中村吉右衛門)の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした。〔共同〕

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