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被災の川崎市市民ミュージアム 収蔵品救出の記録公開

川崎市市民ミュージアムの地下収蔵庫には水が流れ込んだ(2019年10月撮影)

2019年10月の台風19号で収蔵品に大きな被害を受けた川崎市市民ミュージアム(川崎市)が、1年間の救出活動を記録した映像ドキュメンタリーを公開した。被害は収蔵品約22万9000点に及び、現在も休館を余儀なくされている。映像には収蔵品を救うため、懸命の努力を続ける関係者たちの姿が記録されている。

19年10月12日夜、地下駐車場から建物に水が入り、9つある地下の収蔵庫は最大で水深2.5㍍まで没した。床板が膨張し棚や扉が倒壊して、作品も水に浮くなど甚大な被害を受けた。約40分の映像は、深刻な被害の様子を映す。絵画やポスター、写真などのほか民具も収蔵しており、それらが散乱し救出作業は難航した。地下で湿気が排出しにくい構造だったため、黒カビが広範囲にわたって繁殖し、除去作業に追われた。

救出作業は「ルート開拓」「収蔵庫からの搬出」「応急処置・薫蒸」「修復」という工程で行う。20年はコロナ禍のため、活動を大幅に縮小せざるを得なかったが、文化財保存支援機構など多くの外部専門家らも協力して作業を続け、6月には地下収蔵庫からすべての作品を搬出した。しかし、ほとんどの作品は応急処置にとどまり、修復を待っている。作業終了には、何年もの年月がかかると予想される。

大野正勝館長は「館が再開した際、被災した収蔵品を公開することもあるだろう。修復され、きれいになっても被災した事実は消えない。その重みを考え続ける必要がある」と話す。今後も被災収蔵品レスキューの記録をホームページで定期的に発信していく。

(赤塚佳彦)

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