いま、ここ 俳人 黛まどか
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京都のある寺で、一度だけ座禅を体験したことがある。朝六時から一時間程、一般向けの講座だ。警策(きょうさく)という木製の平たい棒を手にした僧侶が目の前を通る時に、希望者は頭を下げると背中を打っていただける。パン!パーン!という乾いた音が冴(さ)え切った講堂に響き渡る。私もお願いしたが、想像していたよりも痛く、体験といえども容赦はないのだな…と思った。とはいえ、座禅の後には一人一人に労(ねぎら)いの飴...
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