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文化財、8Kで細部もくっきり 東博とNHKが共同研究

遮光器土偶をVR空間で鑑賞

東京国立博物館とNHKは、超高精細の8K映像技術を使った共同研究「みんなの8K文化財プロジェクト」を始めた。東博の所蔵文化財を最先端のスキャナーや3D画像をつくる技術で映像化。「これまでにない映像を制作し、新たな体験の提供を目指す」という。

共同研究では、NHKが新たに開発した最先端の映像技術を活用し、東博がその技術を効果的に生かすための作品選定や展示方法を提示する。プロジェクションマッピングやVR(仮想現実)、AR(拡張現実)なども用い、美術鑑賞の楽しみを広げるという。例えば、縄文時代に作られた「遮光器土偶」(重要文化財)では、くっきりとした8Kの映像により、鳥の羽根や縄で刻まれた繊細な文様まで見ることができる。土偶を巨大化し、下から見上げるなど現実では難しい鑑賞も可能になる。

8K文化財 洛中洛外図屏風(舟木本)

400年前の京都を描いた岩佐又兵衛の「洛中洛外図屏風(舟木本)」(国宝)には2700人に及ぶ人物が画面にいるが、従来の展示では距離もあり、そのひとつひとつを鑑賞することは難しい。8K文化財であれば、自由に拡大し、好きな角度から鑑賞することができるという。橋の下の理髪店や、桜の下の花見など画面に描き込まれた当時の風俗もよく分かる。

世界規模でコロナウイルスがまん延する中、2020年には日本のミュージアムも休館を余儀なくされた。人やものの動きが止まり、大型展の延期や中止も相次いだ。ミュージアムは従来の運営方法や展示にとどまらない変化を迫られている。あくまで「本物」を見る場であることは変わらないが、作品への関心や理解を深め、新たなファンを開拓する工夫は必要だ。デジタル技術はその1手になる。研究成果はNHKで随時番組を制作し放送するほか、22年には、同館で展示を行う予定だという。

(赤塚佳彦)

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