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開戦前に日米の差を算出 経済学者の分析生かされず

歴史家・磯田道史 半歩遅れの読書術(4)

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日本はペリー来航時には米国を恐れすぎ、真珠湾攻撃の時には米国をなめ過ぎた。アンガス・マディソン『世界経済の成長史』(金森久雄監訳、東洋経済新報社)を参考にすると、ペリー来航の3年前、1850年の米国の国内総生産(GDP)は日本の1.8倍前後。ところが真珠湾攻撃の1941年にはこの差は約5.4倍に開いていた。この年、英国のGDPは日本のおよそ1.7倍。米英で日本の7倍以上だ。しかもこの時日本は中国とも戦争中。38年の中国のGDPは41年時点の日本と比べ約2倍。米英中と同時に戦うのは無茶だ。

しかし、この国は経済国力の劣勢を知らずに戦争を仕掛けた訳ではない。例えば32年、軍事評論家・水野広徳は「日米両国の経済国力を比較すれば…一対一〇であるか、一対三」と、公言している(『日米興亡の一戦』)。

牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦』(新潮社)は米国との国力差を正確に知っていながら、いや知っていたからこそ無謀な戦争を選択していった姿を描いた本だ。...

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