悲嘆に寄り添い耳傾ける 作家・柳美里と古川日出男の試み
災厄と文化(2)場を生み出す
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地元にとどまった人と移住した人、補償を受けた人とそうでない人がいる。東日本大震災は人々の間に様々な分断や格差を生んだが、目をこらすと白と黒に二分されるものではなく、なだらかな濃淡がある。作家の柳美里と古川日出男はその「あわい」に立つ位置を定め、震災を捉え直そうとする。
南相馬に書店をオープン
柳が被災地の住民と縁を結んだのは、2012年に遡る。福島県南相馬市の臨時災害放送局から声がかかり、彼らから...
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インフラ整備や産業・文化の復興、原発、防災、そして地域に生きる人々の10年とこれからをテーマにした記事をお届けします。