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芥川賞・直木賞贈呈式 宇佐見りんが明かした本音

芥川賞を受賞した宇佐見りん(右)と直木賞の西條奈加(2月18日、日本文学振興会提供)

緊急事態宣言下の東京都内で2月18日、第164回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が開かれた。半年前の前回と同様、出席者は制限され、祝賀パーティーも見送られた。平時に比べると華やかとはいえないが、半面、受賞者の率直な声に出席者が聞き入る雰囲気が生まれ、人々の記憶に残る贈呈式となった。

「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した宇佐見りん(21)は、2019年に「かか」で文芸賞を受賞してデビュー、同作で三島由紀夫賞、2作目で芥川賞と、わずか1年半で大きな賞を立て続けに射止めた。芥川賞の受賞会見では終始笑顔だったが、この日は「素直に話したい」と切り出し「本当に(受賞して)いいのだろうかという気持ちだった」「自分はまだまだ」などと声を詰まらせながら話した。そして「次に書く作品は私の一生にとって大事なものになる」と力強く語った。

「心淋し川」で直木賞を受賞した西條奈加(56)は、デビュー16年で初めて候補になっての栄冠だ。贈呈式ではこれまでを振り返り、作家になってからの6~7年間は「執筆中に嫌な思い出がどかどか浮かんできて非常に困った」と打ち明けた。「(自分の中の)本音を引きずり出すために無意識へと潜っていったからだと思う。作家というのはしんどい作業だが、書く喜びとの折り合いをようやくつけられるようになってきた」という。

選考委員の言葉も思いやりにあふれていた。芥川賞の山田詠美は「(本当は華やかなパーティーで)才能あふれるヒロインの登場をゴージャスに祝福したかった」と受賞者を気遣い、直木賞の宮部みゆきは、賞の運営者や会場スタッフへ、そして医療従事者やエッセンシャルワーカーへも「感謝を」と会場に拍手を呼びかけた。

(桂星子)

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