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「江戸のテーマパーク」見世物の世界伝える展覧会

1979年に国立演芸場が誕生して以来、この運営母体である日本芸術文化振興会は、芸能関係の資料を収集してきた。その成果の一つとして、江戸時代の「見世物(みせもの)」の錦絵などを披露する展覧会「見世物の精華」を、5月26日まで国立劇場伝統芸能情報館(東京・千代田)で開催している。

曲芸の様子を描いた錦絵や、興行について説明した「絵番付」などが展示されている。監修した文化史研究者の川添裕氏は「見世物というと、かつてはろくろ首や蛇女というイメージもあったが、研究が進む中で、そうしたものはせいぜい1割ほどだと分かった」と説明する。大半は、曲芸や、蒸気の力を使って何かを動かす仕掛け、本物そっくりに作った生人形(いきにんぎょう)などで、江戸後期には、隅田川の両岸に、たくさんの小屋が立ち、人々が集まった。その様子を伝える初代広重の錦絵もある。「こうした見世物は、江戸の庶民に最も身近な娯楽だった」(川添氏)

足を使った華やかな曲芸で米国でも興行した早竹虎吉や、独楽(こま)の芸を大仕掛けなショーに仕立てた竹沢藤次ら、スターもいた。さらに、海外から象やラクダなどがやってきて各地を巡る興行も人気だった。仕掛けなどの技術は芝居にも取り入れられた。そうした様子も、展示から見てとれる。

足を使った芸や細工、仕掛けは、世界的に見ても日本が盛んだという。川添氏は「仕掛けの世界は現代のテーマパークに似ているし、生人形は、等身大ガンダムを作って公開するようなもの。日本人は、そうしたものが昔から好きだった」と話す。

(瀬崎久見子)

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