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文芸賞受賞の藤原無雨「文学で社会を変えたい」

文芸賞を受賞した藤原無雨(左)と優秀作に選ばれた新胡桃

2019年の受賞者、宇佐見りんが受賞作「かか」で20年の三島由紀夫賞、もう一人の受賞者、遠野遥が第二作「破局」で20年度上期の芥川賞をそれぞれ受賞するなど、河出書房新社主催の文芸賞は注目を集めている。20年は藤原無雨(ふじわらむう)の「水と礫(れき)」が受賞、新胡桃(あらたくるみ)の「星に帰れよ」が優秀作に選ばれた。藤原は「それぞれが自分で考えるような社会になってほしい。文学を通じて、そんな社会に変えていけたら」と意気込みを語る。16歳での作家デビューとなった新は「早くに作家になれたのはうれしいが、特別なことと思わず、学生生活とのバランスを大事にしながら小説を書いていきたい」と述べた。

「水と礫」は東京で事故を起こし、小さな町に戻ってきたクザーノが、ラクダに乗って砂漠の向こうを目指す。「1」「2」「3」という3つの章が繰り返し語られるうちに、物語が少しずつ変容するという凝った構成だ。「小説は半自動的に生まれる。今作も最初は短編だったが、風景や人物が反復したらどうなるかと考えるようになりました」。すでにライトノベルでは、マライヤ・ムー名義の共著「裏切られた盗賊、怪盗魔王になって世界を掌握する」でデビューしている。「どちらも好きだが、役割は違う。(純)文学は思考材料」と位置づける。

「星に帰れよ」は「モルヒネ」と呼ばれる女子高生を中心に、自他の関係性のあり方を問い直す。新は「(選考委員の)島本理生さんと対談させていただいたとき、『作家は何かを断罪する職業ではない』とおっしゃっていましたが、それは私も大切にしていきたいと思いました」と語った。

(中野稔)

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