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推理作家協会賞の呉勝浩「乱歩賞受賞時の思い忘れず」

「スワン」で日本推理作家協会賞(長編部門および連作短編賞部門)を受賞した呉勝浩

ミステリーとかかわりのある作家、評論家、翻訳家、漫画家などで構成する日本推理作家協会は2つの賞を持つ。一つはその年の最も優れた作品を顕彰する日本推理作家協会賞であり、もう一つは新人作家を発掘する江戸川乱歩賞だ。例年、授賞式は別の日に開いてきたが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で12月9日に東京都内で同時開催した。

ショッピングモールで起きたテロ事件で実は何があったのかを描く「スワン」で、第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した呉勝浩。「(『道徳の時間』で)5年前に乱歩賞を受賞したときには、作家として何とかなるのではないかという自信と、このままではいけないという状況認識を持っていた。それは今も変わらず、この先も持ち続けていきたい」と抱負を述べた。

事故死した夫の遺品を妻が整理するうちに乳児の骨を見つける「夫の骨」(同名の単行本に所収)で短編部門に選ばれた矢樹純は「小説家としてはまだ駆け出し。面白い小説を書いていきたい」と語った。評論・研究部門は「遠藤周作と探偵小説 痕跡と追跡の文学」を書いた金承哲に贈られた。「遠藤の探偵小説と関連づけながら神学の可能性を探ることを考えた」と金は振り返った。

認知障がいを宣告された61歳の元刑事を主人公とする「わたしが消える」で第66回江戸川乱歩賞を受賞した佐野広実は、1999年には別名義で松本清張賞も受けている。選考委員の綾辻行人は「一人称小説なのに、一切『わたし』という言葉が出てこない。新人離れしたテクニックだと思ったが、経歴を聞き、さもありなんと思った」などと評価した。

(中野稔)

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