俳句は文学だ 水原秋櫻子が目指した主観と抒情の復権
いま読む新興俳句(1) 神野紗希(俳人)
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昭和初期に勃興した「新興俳句」は現代俳句に道を開く文芸運動だった。俳人の神野紗希氏がその歴史を解説する。
俳句と聞いて何を思い浮かべるだろう。桜や紅葉、四季折々の自然を詠む風流な趣味? 筆で短冊に一句したためる姿? テレビの添削番組も人気だが、先生も和装だ。季語と575の定型を固持する守旧派文芸の印象は、いまだ根強い。
しかし、実際の現代俳句は、和の伝統の範疇(はんちゅう)にとどまらない多様性をも...
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