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中村時蔵 襲名40周年 3月歌舞伎座で遊女三千歳に

「コロナ禍でも教えるべきことは教えます」と話す中村時蔵(C)松竹

「歌舞伎の遊女というのは、皆、いちずですね。好きな人のためなら何でもやる。そして色気もある」。歌舞伎俳優の中村時蔵は語る。3月4日からの歌舞伎座(東京・中央)公演第2部「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)直侍」で、遊女の三千歳(みちとせ)の役をつとめる。河竹黙阿弥が明治期に、古きよき江戸の風情を観客に思い起こさせるように作った舞台のひとつで、清元の名曲とともに日本舞踊のように美しい芝居を楽しめる。

現代を代表する女形の一人だ。幼くして父を失い苦労したが、同世代の坂東三津五郎や中村勘三郎が先に逝き、芸の継承において重要な役割を担う立場になった。現在は国立劇場の歌舞伎俳優研修の主任講師もつとめている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、楽屋で話すことさえ難しい日々が続く。伝統芸能のけいこに支障が出ると危惧されているが「制限があっても教えるべきことは教えないと。マスクを着けて、距離を取れば、大丈夫です」と、自信を持って言う。コロナ禍の影響なのか、研修生の希望者が少し増えたことがうれしいという。

今年は時蔵を襲名して40周年にあたる。「さほど意識していませんが(芸などを)うまくバトンタッチしていくことが歌舞伎では大事。そのために、若い人とよく話すようにしています」。コロナ禍に始まった後輩たちのオンラインでの座談にも参加し、昭和の名優の教えについて気さくに語ったこともあった。

2020年の歌舞伎の公演自粛期間中は、右膝の治療をした。歌舞伎俳優の職業病のようなものだが「自粛で舞台がしばらくお休みになったことは、膝のためにはありがたかった」。まだしばらく舞台人生を続けることができそうだ。

(瀬崎久見子)

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