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中国のLGBT、肉声伝えるドキュメンタリー映画

房満満監督「出櫃(カミングアウト)」の一場面(C)テムジン

中国の性的少数者(LGBT)の肉声を伝えるドキュメンタリー映画「出櫃(カミングアウト)」が23日公開される。日本在住の房満満監督が、上海に住む2人の同性愛者とそれぞれの父母との関係に焦点を当てた。LGBTを描く映画やドラマを公開するのが難しいという中国での当事者と親たちの悩みが生々しい。

学習塾で働く谷超さん(26)は江蘇省に帰省し、ゲイであることを父親に告げる。カメラはカミングアウトの瞬間を撮る。上機嫌に迎えていた父は動揺を隠せない。「一緒に背負って」と父の肩を抱く息子。「中国社会に同性愛者の居場所はない」と説く父。

レズビアンの恋人と暮らす陳安安さん(32)は19歳で母に告げたが、受け入れられていない。母の理解を求める娘は同性愛者支援団体の集会に母を連れてくる。「メンツが立たない」と泣く母は親戚向けの偽装結婚式を開くことを懇願する。

房が中国のLGBTに興味をもったきっかけは後輩留学生のカミングアウト。彼女も親との関係に悩んでいた。「親子関係は私も感情移入できる。善悪で割り切れない普遍的なもの」と房。支援団体を通して2人を知り、信頼関係を築いた。

「都市部以外の中国人は身近なLGBTの存在を知らない。田舎にいくほど親戚のつながりが強く、LGBTは居場所がないと感じている。孤独感に直面し、親の前でも、友人の前でも、職場でも、本当の自分でいられない」と房。

1989年江蘇省生まれで、日本の制作会社に所属する房は、中国社会の実相に切り込む作品を手がけており、現在はコロナ禍の広州での黒人排除問題を追う。「生きにくい国の中で、何とかこの国をよくしていきたいという人の生きざまを撮りたい。2人は活動家ではないが、困難にめげず自分の声をあげた。日本から応援したい」と語った。

(古賀重樹)

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