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「胸張れるものが書けた」吉川英治文学賞の村山由佳

記念撮影にのぞむ吉川英治文学賞などの受賞者。左から文庫賞の今村翔吾氏、文学賞の村山由佳氏、新人賞の武田綾乃氏と加藤シゲアキ氏

今年の吉川英治文学賞は村山由佳の「風よ あらしよ」に、新人賞はアイドルグループ「NEWS」のメンバー、加藤シゲアキの「オルタネート」と武田綾乃の「愛されなくても別に」に決まった。それぞれの作者が書き続けるなかで新たな地平を切り開いての受賞となった。

「風よ あらしよ」は婦人解放運動家でアナキストの伊藤野枝を描く作品で、著者にとって初の評伝小説だ。村山の「新境地」といえば大胆な性愛を描いた2009年の「ダブル・ファンタジー」が記憶に鮮烈だが、「後ろ指をさされても構わないと思って書いた」同作に対し、受賞作を「やっと胸を張れるものが書けた」と表現する。「(当時の)アナキズム的な思想が全て正しいとは思わないが、『声を上げる』ということに関しては今の時代に通ずる。飼いならされない女という意味で、野枝に憧れる」と現代と照らし合わせて喜びを語った。

「オルタネート」は直木賞候補作にもなった青春群像劇だ。この小説で「作家・加藤シゲアキ」の名は広く知れ渡ったが執筆生活は今年でもう10年目。「毎回違うことをと書いてきた」との言葉通り、長編ミステリーから短編までさまざまな作品にチャレンジしてきた。「10年続けてきたことが今に続いていると思うと、10年前の自分を褒めてあげたい」と振り返る。

「愛されなくても別に」の武田は、吹奏楽部を舞台にした人気作「響け! ユーフォニアム」シリーズなど、爽やかな青春小説の印象が強い作家だ。受賞作では親子関係に苦しむ大学生を描き「思い切った作品を書き評価いただけたことで、(作品の)枠を決めるのはもったいないのかなと感じた」と充実感をにじませた。文庫賞の今村翔吾はデビューから書き続けてきた「羽州ぼろ鳶組」シリーズでの受賞。「これからも10年、20年と暑苦しくいきたい」と気炎を上げた。

(桂星子)

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