俳句、モダニズムの時代 都市の詩
いま読む新興俳句(2) 神野紗希(俳人)
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第1次世界大戦勝利による好景気で、日本の都市人口は一気に増大する。大正~昭和初期、都会には洋装のモボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)があふれ、カフェやバーが軒を連ねた。生活の変化を受け、文学でも川端康成や横光利一らが都市生活の機微を描写、新感覚派と称された。
このモダニズムの流れを俳句で展開したのが、ともに明治34年生まれの山口誓子と日野草城である。
誓子は、高浜虚子の俳誌「ホトトギス」で阿波...
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