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乱歩ら輩出 モダニズム伝える雑誌「新青年」がズラリ

創刊号から終刊号まで全400冊を展示している

1920年に創刊し、50年まで発行された雑誌「新青年」はミステリー小説、ファッション、スポーツといった最先端の大衆文化を発信し、大正・昭和初期のモダニズムを代表する存在だった。江戸川乱歩や横溝正史、夢野久作ら強烈な個性の作家を輩出した同誌が今年で創刊101年になるのにちなみ、神奈川近代文学館(横浜市)は5月16日まで企画展「永遠に『新青年』なるもの」で関連資料約600点を展示し、歴史を振り返っている。

展覧会では23年に新青年に掲載された乱歩のデビュー作「二銭銅貨」の草稿をはじめ、横溝の「鬼火」の直筆原稿などを間近で鑑賞できる。当時は珍しかった電気パーマ機や戦前の東京六大学野球のユニホーム、さらには米国大リーグ選手、ベーブ・ルースのサイン入りボールなど、大衆文化史としても貴重な資料がそろう。

版元の博文館は創刊当初、欧米の探偵小説を翻訳して掲載していた。乱歩の登場を機に国産ミステリー小説を積極的に取り上げていく。昭和初期にはモダニズムの広がりに対応すべく、小説以外の分野にも手を伸ばし、新しいライフスタイルを若者へ発信した。

太平洋戦争が始まると、誌面にも大きな変化が生じる。表紙を飾っていた女性の肖像画は戦闘機のパイロットや兵へと姿を変えた。ミステリー小説やファッションは誌面から消え、戦中の空気に合わせて時代小説、戦争、報道小説が雑誌を埋めた。創刊号から終刊号まで展示されたコーナーではその変遷を見て取れる。

企画展の編集委員を務めた成蹊大学の浜田雄介教授は「新型コロナで生活の見直しが余儀なくされるなか、『新青年』の歩みを振り返り、ライフスタイルとはなにかを考え直してほしい」と話す。

(篠原皐佑)

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